家の中に風の通り道をつくろう 給気と排気の考え方(戸建編)

206 家の中に風の通り道をつくろう 給気と排気の考え方(戸建編)

現代の住宅の風通しで大切なこと


古来の日本の住宅は風通しがよく自然と換気ができるようになっていましたが、冬は寒く冷暖房の効率もよくありませんでした。
これに対し、現代の住宅は、断熱性と気密性を高めることで、冷暖房効率にすぐれ、年間を通して快適に過ごせるようになっています。
その分、湿気やカビを防いで快適に暮らすためには、意識して家の中に風を取り込んで換気する必要があります。

今回は、家の中にうまく風の通り道をつくれるよう、神戸・明石でのリフォームなどのときに気をつけたいことをお伝えします。


自然換気と強制換気とは?


換気の方法には自然換気と強制(機械)換気の2種類があるのをご存知ですか?
自然換気はモーターなどの動力を使わずに風力や温度差を利用する方法に対し、強制換気は換気扇などの機械を使って強制的に換気する方法です。

昔の日本の住宅は、浴室の使用後も窓を開けておけば、自然換気だけで乾燥させることができていました。
気密性の高い現代の住宅では、キッチンや浴室、トイレといった水回りには自然換気と強制換気を併用する必要があります。

水回りスペースには窓があっても換気扇をつけた方がいいのですが、効果的に風を通すには、その配置が重要になります。
換気扇と窓が対角線上になるのが理想的な配置ですが、建物の条件などからむずかしいケースもあるので、設計者と相談しましょう。


給気と排気の考え方


換気扇と窓の配置にも関係しますが、換気には給気と排気の考え方も重要になります。
家の中の空気を外に出すのが「排気」ですが、同時に外からの新鮮な空気を取り込む「吸気」によって、風の流れをつくり効率よく換気できるのです。

家の中でも、特に給気と排気に気をつけたいのが、煙やにおいが発生しやすいキッチンです。
近年は吸排気が同時にできるタイプの換気扇(レンジフード)を取り付けることが多くなっていますが、排気だけを行う換気扇と吸気口を設ける方法もあります。


窓からの風を流すには


こうしたことからおわかりかと思いますが、風通しをよくするには風の入口と出口が必要です。
各居室には、窓は2つ以上、できれば異なる方位にほしいものです。
また、窓の位置は高低差があれば、より空気が流れやすくなります。

外に面した窓を複数つくることが難しい場合は、廊下側の壁に室内窓やドアの上部にランマを設ける、出入口を風の通るよろい戸にするなどの工夫で、外からの風を室内に流すことができます。
以上を参考に、スペースの用途や建物の条件にあわせて効率の良い換気プランを相談して進めていくことをお勧めします。

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No.206

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