純和室をスタイリッシュな商材仮置き倉庫にリノベーション

こんにちは。工事部の三瀬です。

本日はご紹介するのは、在来の戸建住宅の1階和室部分を、倉庫に改装するご依頼です。

板張り天井に土壁、地袋付きの床の間、床柱や長押(なげし)、仏間、障子の敷鴨居の奥には縁側。
昔ながらの和室のお部屋をリフォームされたいとのことで、条件やご希望は以下の通りです。

・なるべく空間を広く使えるスペースを作りたい
・上履きで歩きたい
・ダンボールで梱包された商材(本など)で重量があるものを置きたい
・見た目は住宅感、和室感を少なくしてスタイリッシュにしたい
・もちろんコストは抑えたい

【全体 after】
和室after1

【全体 before】
和室before1

今回は、型にはまらない少しひねった発想が必要でした。

和室感を消すには、柱や長押などを隠した大壁にしてしまって洋室にできますが、柱を隠すと建具や窓の枠とか、色々な所に付帯工事が発生しますし、コスト面がかなりアップしてしまいます。
そこで、柱や長押を塗装で濃く塗って、アクセントにしてしまうご提案をさせて頂きました。

【押入れ after】
和室after2

【押入れ before】
和室before2

他にも、いかに少しでも工事費を落とせるか、細かいところまで考えました。

まずはスペース作りです。
撤去しても構造的に問題ない押入や垂れ壁を撤去し、解体部分を木材や石膏ボードで形状を整え、しっかりと濃い目のグレー(少しブルー入り)で塗装しました。
白木からの塗装なので、下塗りなど手間もかかりました。
材料費や塗装の手間を抑える為に、石膏ボード+クロス貼りの部分を増やしました。

【天井 after】
和室after4

【天井 before】
和室before4

天井は薄いベニヤ板を張ってからクロス仕上げ、土壁は塗装の予定でしたが、商材の仮置き倉庫にするため、ダンボールの移動も多く壁に当てやすいので、部分的に薄ベニヤ張りや総パテなどで下地を調整し、クロス仕上げすることに変更しました。
総パテはベニヤを張るよりも下地の凸凹がクロスの表面に出やすいですが、クロスが厚めであったことと、ベニヤ板を張るコストもふまえてご理解を頂いた形です。

パテ (putty) とは、下地のくぼみ、割れ、穴等の欠陥を埋めて、塗装系の平らさを向上させるために用いられる肉盛り用の塗料です。
総パテとは、おうとつ凹凸のある部分の下地を平らにし、クロスなどを貼りやすくする作業のことです。

【床 after】
和室after3

【床 before】
和室before3

床は畳を撤去して、その分の高さを根太組みで嵩(かさ)を上げて、合板を重ね張りして頑丈かつ水平にしました。
根太とは、住宅の床をはるために必要となる下地です。

仕上げにはパンチカーペットを使いました。
パンチカーペットは材料費も安めで、梱包ダンボールを移動させやすく、適度な固さです。

少し棚もあればとの事でしたので、仏間を利用し、グレーの空間に集成材の色味で目立たせました。

細かい仕様についてはお任せを頂きまして、私なりに考えて携わりましたが、費用面と理想としていた完成形をクリアできて良かった、とおっしゃって頂けました。
好みはあるかと思いますが、予算内で和室をシャープな形に改造できたと思います。

今日は、少し特殊な和室改装工事をご紹介させて頂きました。

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