家を守るために、屋根を守る
木造の戸建住宅の屋根は雨風から住宅を守る重要な部分ながら、日ごろあまり気にしていないお宅も多いのではないでしょうか?
屋根の劣化は気づかないうちに進むことが多く、被害が雨漏りなど目に見える形になって現れたときには、すでに建物の構造へも被害が広がっている可能性があります。
そうなっては、大がかりな修繕が必要になります。
そんなことにならないよう、家を守っていくためには、屋根の定期的なメンテナンスとリフォームをしっかりと行うことが大切です。
屋根材の種類とメンテナンス時期
メンテナンスやリフォームの時期と内容は、屋根材の種類によって異なります。
まずは、一般的な住宅の屋根材の種類と耐用年数、劣化を防ぐためのメンテナンス時期について紹介します。
・粘土瓦
和瓦(わがわら)、陶器瓦とも呼ばれる、粘土を高温で焼いたもの。
耐用年数は50年と長いものの、10年ごとに割れやズレ、下地の劣化の点検補修が必要。
・人工スレート
化粧スレートとも呼ばれます。
セメンを主原料とする薄い板状の屋根材で、耐用年数は15?30年。
4?6年で割れやズレがないか点検、10年ごとに塗替え。
・ガルバリウム鋼板
近年、金属屋根の主流になりつつある屋根材で耐用年数は40年。
5?6年ごとにサビやキズの点検、10年ごとに塗替え。
・セメント瓦
セメントと砂を主原料に成型してつくる瓦で、耐用年数は20年。
5?6年で割れやズレがないか点検、10年ごとに塗替え。
本瓦には塗装は必要ありませんが、瓦そのものの割れ・ズレや屋根の下地の傷み具合の点検をするべきです。
人工スレート、ガルバリウム鋼板、セメント瓦は定期的な点検と塗替えのメンテナンスをすることで、耐用年数まで維持できると考えましょう。
また、以上の耐用年数とメンテナンス時期はあくまでも目安です。
近年は自然災害の激化・大型化もあり、大きな災害の後にも点検することをおすすめします。
耐用年数が来たら葺き替えリフォームを
劣化が進んだり、耐用年数が過ぎた屋根材は葺き替えのリフォームが必要になります。
人工スレートや金属屋根は、古い屋根材の上から軽いガルバリウム鋼板を重ねて葺くことも可能です。
これはカバー工法と呼ばれる方法で、廃材が出ず、工期も費用も抑えられます。
ただし、屋根の下地まで劣化が進んでいる場合はこの施工はできません。
下地まで傷んだ屋根は下地も交換した上で葺き替えることが多くなります。
耐震性の範囲内で屋根材は自由に選べますが、工期は長く費用も高額になってしまいます。
このように屋根は劣化が進むほど、修繕の負担が大きくなっていくのです。
適切にメンテナンスやリフォームができるよう、まずは自宅の屋根の耐用年数やメンテナンス時期を確認しておきましょう。
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No.111