これから家を買おうと思っている方の中には、新築か中古かで迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方にお話したいのが、アメリカでのリフォーム事情と、今後の日本の住宅事情です。
アメリカでは「家はリフォームするもの」というのが常識です。
なぜなら、リフォームしていくことによって家の価値を高めていくことができ、キレイにリフォームされた家ほど高く売ることもできるからです。
高く売るためには古い設備を新しいものに替えたり、汚くなった内装をキレイなものに替えたりしていくことが当然のことだと思われているのです。
リフォームが熱心におこなわれる理由として、リフォーム好きな国民性も影響しているかもしれません。
ホームセンターも、日本とはくらべものにならないぐらいDIY用品が充実しており、そこで必要なものを購入して自分たちでリフォームする人もたくさんいます。
一方日本はどうでしょうか。
日本の住宅は寿命が短く、25~30年です。
これは明確な基準があるというわけではなく、税法上の減価償却というものが25年でゼロになるというだけなのです。
つまり、2500万円で経てた家でも10年経てば1500万円に、20年経てば1000万円に、そして、25年経てば0円になってしまうのです。
いくらリフォームをしてキレイな状態で売るにしても、築年数が経っていれば高く売ることはできないのです。
日本では、中古住宅の流通量が13%程度だと言われています。
アメリカは80%程度なので、かなりの差があることがお分かり頂けるかと思います。
「マイホームを買う」と言えば当然新築だと認識している方も多いと思いますが、今や中古住宅がたくさん余っているのにさらに新築住宅を建てるので、住居費ばかりがかさんで資源を無駄にしているのが現状です。
そこで、日本でも中古住宅をもっと活用していくために、住生活基本法が2006年に施行されました。
さらに、2010年には国土交通省によって「中古住宅・リフォームトータルプラン」がまとめられ、中古住宅の流通量を2020年までに2倍にすることなどが盛り込まれています。
中古住宅の流通量を増やすためには、今のように新築住宅を建てるのが当然だという流れをなくし、中古住宅に住むことにメリットがある、と国民が感じる政策が必要になります。
その一環として、住宅の寿命を延ばすことが推進され、最近は「100年住宅」なんていう言葉もよく聞かれるようになってきていますね。
日本も、アメリカのように中古住宅の流通量が8割に達することも夢ではありません。
今までは「自分が快適に住むため」だけのリフォームだったのが、今後はさらに資産価値を高めるためのリフォームもさかんにおこなわれるようになるのではないかと思われます。
今後はますます「新築を買う」よりも「中古住宅に住んでリフォームによって資産価値を高める」ということが重視されていくでしょう。
(参考:自分でリフォームDIY)
(関連コラム:高値で売却できる家!定期メンテナンスで資産価値を高める)
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