キッチンリフォーム「IHコンロかガスコンロか?」

152 キッチンリフォーム「IHコンロかガスコンロか?」

キッチンのリフォームをすると、キッチンの使い勝手が良くなるのでリフォームを希望する女性は多いものです。
キッチンの設備も10年~20年で大きく様変わりしますし、リフォームによって最新の設備に総入れ替えすることも可能です。

キッチンリフォームをする際に、きちんと考えておきたいのがコンロをIHコンロにするかガスコンロにするか、です。
最近はIHコンロにする人も増えていますが、一方でガスコンロを使い続ける人も少なくありません。

どちらが優れている、ということはなくあくまでも使う人の目的に応じて選ぶことが大切です。


IHコンロのメリット・デメリット


◎掃除がしやすい
ガラストップコンロなら、さっと拭くだけでキレイなコンロを維持できます。

◎火が出ないので安全
IHコンロの場合は人の手や服が触れても火が燃え移ったりヤケドすることがありません。

◎温度を一定に保てる
温度設定ができるので、揚げ物をするのもラクになります。

◎コンロ周りに物が置ける
火が出ないのでコンロの近くにレシピ本を置いたりと、モノを置きやすいのは魅力です。

◎お湯を沸かすのが早い
ガスコンロと比べると、お湯を沸かすのにかかる時間は1分以上短いです。

◎夏は快適
熱が出て空気を温めることが無いので、暑い夏でも快適に料理ができます。

▲コンロとグリルの同時調理が難しい
IHコンロの場合は、コンロ(ラジエントヒーター)とグリル(ロースター)を同時に使うことができません。
最新の機種だと同時に使えるものもありますが、その場合も火力が落ちることがあります。

▲キッチン周りが汚れやすい
ガスと違って上昇気流がほとんど起こらず、レンジフードに油を吸い込みにくいので、床や壁は汚れやすくなります。

▲焼きムラができやすい
餃子やお好み焼きを焼くときには周りに火が通りにくく、真ん中だけ焦げてしまう、ということがあります。


ガスコンロのメリット・デメリット


◎火力のこまやかな調節
お湯を沸かすことだけに限ればIHに軍配が上がるものの、ガスコンロの方が強火で中華料理を作ったり、とろ火で煮物を作ったりするのには向いています。

◎コンロとグリルの同時調理もできる
コンロとグリルをすべて同時で使用しても、最大火力で調理することが可能です。

◎鍋全体をまんべんなく加熱できる
IHコンロはなべ底だけを加熱しますが、ガスの場合は上昇気流により鍋肌からも加熱できるため、ムラなく調理ができます。

◎コンロ周りが汚れにくい
上昇気流が起こり、上昇した油などはレンジフードに吸い込まれます。
そのためレンジフードは汚れますが、床や壁、コンロ周りは汚れにくくなります。

◎冬は暖かい
冬は、キッチンのエアコンをつけなくてもガスコンロの熱で温かさを感じることができます。

▲近付きすぎると危険
小さいお子さんがいる場合は、ヤケドなどの心配があります。

▲プロパンガスのガス代が高い
都市ガスだとさほど変わりませんが、プロパンガスの場合はIHに比べると2倍以上電気代が高いこともあります。

▲手入れがしにくい
ゴトクや受け皿の掃除をするのは、IHコンロのガラストップを拭くのに比べればかなり面倒です。


最近はガスコンロの人気が増している


IHコンロが登場してからは、キッチンリフォームの際にIHコンロに変える人が断然多かったのですが、東日本大震災以降は、ガスコンロの人気が高まっています。
電気料金の値上げや、原子力発電への不信感・不安感が原因です。

ちなみに、災害時においてはガスも電気も停止してしまう恐れがありますが、確率で見るとガスの方が停止しにくいです。
内閣府のデータによると、南海トラフ地震が起こった場合、電気の停止は2710万戸、ガスの停止は180万戸と試算されています。
ただ、復旧にかかる期間は東日本大震災のときで電気は4日、ガスは34日で90%の復旧ができていますので、電気の方がすぐに復旧されるということになります。


火災の危険性は変わらない


火災の原因として多い天ぷら油火災ですが、自然発火する370度になるまでに自動で停止する機能はガスコンロ・IHコンロともについている場合が多いです。
そのため、火災の危険性から見れば、どちらもあまり変わらないと言えます。
また、Panasonicからガス・IHともに3つ並びタイプのものも販売されていて、使い勝手の面でもどちらを選ぶか迷われる方が多いです。

ガスコンロもIHコンロも、それぞれにメリット・デメリットがあるので、人によってどちらを選ぶべきかというのは変わります。
選択時の傾向として、より安全性を重視する人や、家事の簡略化を希望するならIHの方を選ばれ、料理の質にこだわりたい人はガスを選ぶ方が多いのではないかと思います。

(参考:キッチン設備・仕様について
(関連コラム:オール電化のメリットとデメリットを知って快適な生活を手に入れる

No.152

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