気になる施主支給の最新事情 越えなければならない2つのハードル

059 気になる施主支給の最新事情 越えなければならない2つのハードル

「施主支給」をご存知ですか?


施主支給とは、自宅など新築やリフォームをする際に、建装材や建具、設備の一部を施主自ら調達し工事業者に施工してもらう方法です。
例えば、愛着のある古い建具をリフォーム後にも取りつけたり、家具を造作する代わりに市販のクロゼットを固定し、造り付け収納のようにしたりできます。

こんなことができれば、施主の細かいこだわりや要望を実現でき、工事費用を低く抑えることもできますね。
そう聞くと、施主支給は良いことずくめのように思えますが、必ずしもそうとは言いきれません。
施主支給を成功させるには、越えなければならないハードルが2つあるのです。


まずは、工事業者に相談を


まず、1つ目のハードルですが、それは工事業者の承諾を得ること。
施主の方で取り付けてもらいたいと思うものがあっても施工をするのは業者ですから、業者がノーといえば無理なので、これは絶対条件になります。

また、施主支給を承諾するかどうかは業者次第としかいえません。
通常、工事を依頼すれば、材料の調達や工期の管理は工事業者が一括で行います。
業者は材料や設備にも利益を乗せていますし、自社以外が調達した材料を使うとなると工期の管理や作業も煩雑になるので、まだまだ断わられることの方が多いのではないかと思います。

そして、施主支給を希望するなら、かなり早い段階で業者に相談することが大切です。
引き受けてくれる業者であっても、実際に工事が始まってからだと、相談しても工期のタイミング的に無理になってしまうこともあるからです。

相談次第で、部分的な商品については、可能なこともあります。


スケジュール管理と手配は施主の責任


2つ目のハードルは、支給したい材料や設備の調達はもちろん、手配とそのスケジュール管理は施主の責任だということです。

例えば、市販のクロゼットを固定したい場合、工事の進み具合を把握し、業者の取り付け作業ができるタイミングに合わせてクロゼットを手配しなければなりません。
事前に、工事業者と工期について綿密に打ち合わせすることが必要です。

また、工事の日程は事前の計画通りに進まないこともあり得ます。
工事業者が手配を希望する日程より少し早めに現物が到着するようにしたいものですが、その場合、現場は工事中ですから保管場所も必要です。
そのためのスペースも考えておきましょう。

現時点では、上記のようなデメリットを考え、RESTAでも、まだまだ施主支給については、お受けしておりません。
ただ、これだけインターネットで商品が誰でも購入できる時代。
適正なコストを精査し、導入する時期が来るかも知れません。

(参考:リフォーム・リノベーションを予算内で収めるメリハリ術
(関連コラム:施主支給はお得ですか?施主と工事担当者間の複雑な保証問題

No.059

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