室内壁の調湿効果 生活スタイルに合わせた壁材を選ぼう

室内壁の調湿効果 生活スタイルに合わせた壁材を選ぼう

室内壁に調湿効果を求める理由は


現代では、マンションはもちろん、木造の戸建住宅も断熱性能がよくなり、気密性も高くなっています。
そのため冷暖房の効率がよく、1年を通して暮らしやすくなりました。

一方、高温多湿の日本の住まいでは、意識して結露やカビを防ぐ必要があります。
最近は換気設備も充実していますが、加えて、室内の壁を調湿効果のある仕上げ材を使えば、調湿・防カビ効果も高まります。

住宅の室内壁の仕上げには、大きく分けて、塗り壁、クロス(壁紙)仕上げ、板・ボード貼りなどがありますが、この種類ごとに調湿機能のある壁材を紹介します。


調湿効果が高い左官の塗り壁


塗り壁は、左官材で仕上げる左官仕上げと塗料を使う塗装の2種類に分けられます。
自然素材である左官材の漆喰や珪藻土が、調湿効果が高いとされていて、消臭効果や断熱性も期待できます。

漆喰と珪藻土の特徴と違いは次の通りです。

・漆喰(しっくい)

石灰を原料にワラや糊を混ぜた、日本で古くから使われている左官材で、仕上がり面はなめらか。

・珪藻土

化石化した藻の1種を原料に石灰やセメントなどを混ぜた左官材。漆喰よりも調湿効果が高く、仕上がり面はざらっとした「ゆず肌」になります。

塗装仕上げの場合、塗料の種類は多種多様です。
最近では、漆喰や珪藻土などの自然素材を塗料化したものや防カビ効果のある製品も登場しています。


調湿機能のある壁紙は?


住宅の室内壁をクロス仕上げにする場合、最も広く使われているのがビニルクロスです。
ビニルクロスは安価で色柄も豊富ですが、安価なタイプのものには、吸湿性や通気性はほとんどありません。

クロス仕上げで調湿性を持たせたい場合は、少し高価になりますが、漆喰や珪藻土を壁紙のように貼れるタイプも登場しています。
また、壁紙自体に調湿性能のある、機能性壁紙と呼ばれるタイプもあります。
サンゲツや東リなどの内装材メーカーの商品ですので、リフォーム時にプランナーと相談しながら選ぶとよいでしょう。


木の板やボードを貼る方法も


この他に、羽目板と呼ばれる天然木の板や調湿機能のあるボードを貼って仕上げる方法もあります。

・天然木の羽目板

天然木を板状にうすくスライスしたもの。
杉やヒノキなら、防虫や消臭効果もあります。
小さなお子さんやペットのいるお宅には、塗り壁やクロス壁の腰高の高さから下を羽目板貼りにする方法(腰壁)もおすすめ。

・エコカラット

天然石や塗り壁のような質感のボード状の壁材です。
施工が手軽で、珪藻土の5倍もの調湿能力に加え、匂いや有害物質を吸着する機能もあります。


調湿効果のある壁材にも、いろいろあることがおわかりいただけたかと思います。
これらの壁材は、壁の下地や環境によっては適さない場合もあるので、リフォーム時の商品選定は商品の特長を確認しながら進めることをおすすめいたします。

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No.223

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