リフォームと家族の健康
わが家をリフォームすることになったら、そこに住む家族みんなの健康に配慮したいもの。
特に、家族にアレルギー性疾患のある人がいればなおさらです。
リフォームといえば、新しく作り変えることに気を取られるのは当然ですが、実は、その前の段階から注意が必要なケースもあります。
今回は健康に気を使ったリフォームのための3つのポイントについてお話します。
古い建材の解体・撤去にも注意が必要
2006年以前に建てられた住宅には、アスベストを含む建材や材料が使われている可能性があります。
木造住宅の場合、次のような部分にそうした材料が使われているかもしれません。
- 屋根、屋根裏、キッチンなどの天井
- 外壁
- 配管の保温材
実際にアスベストが使われていても、屋根裏などの場所で何かで覆われていることが多く、ふだんの状態では飛散することはありません。
しかし、解体や撤去をするときには飛散する恐れがあります。
アスベストを含有している建材の解体や撤去には専門の解体業者による処理が必要になり、費用も多めにかかります。
築年数が10年以上なら、リフォームをする部分の建材や材料にアスベストが含有されているかどうか業者にしっかり確認してもらいましょう。
こんな内装材なら安心
リフォーム後、健康的に暮らすためには、内装にはシックハウスの原因となる化学物質を含む材料は避けたいもの。
シックハウスを起こしにくいことから、近年、注目されているのが自然素材の内装材です。
天井や壁に昔ながらの珪藻土や漆喰を塗れば、湿気や化学物質を吸収する効果が得られます。
塗り壁は工期・費用とも余分にかかりますが、珪藻土や漆喰の壁紙なら少しお手軽ですね。
コットンクロスや和紙の壁紙もおすすめです。
床材では、無垢材のフローリングや国産いぐさの畳などが極力化学物質を抑えたものになります。
また、内装には有機溶剤を含む油性塗料や接着剤の使用は控えましょう。
換気と結露対策を考えた設計を
健康に影響するのは化学物質だけではありません。
カビやダニもアレルギーなどの疾患を引き起こすので、その発生源となる結露や湿気を防ぐことも大切です。
さらに、自然素材の内装材でも微量の防腐剤が使われていたり、家具などに有機溶剤が含まれていることも。
こうした化学物質は室内の大気中で揮発します。
健康的に暮らすには、湿気や化学物質が室内に滞留しないよう換気しやすい構造や間取りにしましょう。
マンションの場合は、室内扉に通気口を設ける、収納の壁に漆喰など調湿効果のある素材を使うなど、プラスアルファの配慮をしたいですね。
加えて、結露対策も忘れずに。
結露は室内と外の気温差により発生します。
窓をペアガラスにしたり、壁に断熱材をプラスするなどの方法があります。
安心して暮らせる家にするためには、健康への配慮も大切です。
以上を参考に、設計はもちろん、工事の仕方や材料選びについても、お気軽にご相談ください。
(参考:内装リフォーム)
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