マンションも戸建ても 地震の被害を減らすリフォームの工夫とは

068 マンションも戸建ても 地震の被害を減らすリフォームの工夫とは

わが家にも「減災」を取り入れよう


地震の多い国、日本では、既存の住宅にとって耐震補強が重要なのは当然といっていいほど。
しかしながら、いざというときに備える上では「減災」の考えも大切です。
防災は災害を防ぐことですが、これに対し、減災とは、災害があったときに起きうる被害を最小にするための取り組みのこと。

地震を防ぐことはできないので、住宅のリフォームをするなら、少しでも人や住宅への被害を減らす工夫をしておきたいものです。


工夫したい減災のポイントとは


では、実際に地震があった場合の被害を減らすために、リフォームのときにプラスしたい工夫をポイントごとにご紹介します。

・避難経路を確保する

間取り変更をともなうリフォームの場合、避難経路を意識しておきたいものです。
特に、マンションは各部屋から外部への脱出口となる玄関やベランダに限られます。
こうした脱出口へのスムーズな動線を確保した間取りプランを考えましょう。

・脱出口を確保する

地震の衝撃で玄関のドア枠がゆがみ、ドアを開けられなくなることがあります。
耐震ドア枠のあるタイプなら、枠がゆがんでも開閉できます。
玄関ドアを変更できないマンションでは、蝶番のみスプリングの入った耐震蝶番に交換したり、ドアへの衝撃を緩和する耐震緩衝装置を取り付けることが可能です。

・家具は造作するか固定する

阪神大震災では、転倒した家具の下敷きになり多数の人が負傷しました。
家具は造作(造り付け)にすれば、転倒の恐れがなく理想的です。
手持ちの家具を使用したい場合は、しっかりと柱や壁、もしくは柱と柱の間に横木をつけて固定します。

・扉や引き出しの飛び出しを防ぐ

収納や家具の中のものが飛び出さないようにするため、収納や家具の扉、引き出しにはラッチや飛び出し防止器具をつけておきましょう。
また、収納などの扉を引き戸にするのもいいですね。

・ガラスによるケガを防ぐ

窓ガラスには飛散防止フィルムを貼りましょう。
自分で貼れるものもたくさんあります。

・落下しにくい照明器具を

天井から吊り下げるタイプの照明器具は落下の恐れがあります。
照明器具は天井や壁に直接取り付けるタイプの方が安全です。

・耐震リフォームを行う

耐震リフォームは、耐震性の低い、旧耐震基準で建てられた住宅の場合にとても有効な手段です。
ただ、部分的に行っても効果が見えにくいため、建物全体をリノベーションするタイミングが最適です。
自治体によっては、設置費用の助成もあります。

以上の項目には、プチリフォームとしてすぐにでもできそうなこともあります。
また、近い将来リフォームやリノベーションをお考えなら、ぜひ、こちらを参考に安全な家作りをしてみてください。

(参考:リノベーションでできる事できない事
(関連コラム:地震に強い家にするために意外と大事なこと

No.068

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