老後に向けたリフォーム 間取りプランをゾーニングから考える

099 老後に向けたリフォーム 間取りプランをゾーニングから考える

老後に暮らしやすい住まいづくりとは


子供が独立したあと、夫婦だけの老後の暮らしに向けてリフォームを考える世帯は多いと思います。
趣味などを楽しみながら、年をとってからも暮らしやすい住まいをつくるには、夫婦の希望を元にどのような空間にしたいのかよく考えて話し合うことが大切です。
それには、間取りプランをゾーニングから始めるのが効率的です。

ゾーニングとは家全体のスペースをキッチンやリビング、寝室など機能と目的ごとに大まかに分けていくこと。
ここに、夫婦それぞれの希望を加えていきましょう。


ゾーニングと動線を考える


まず、ゾーニングですが、機能・目的別に家全体のスペースを次のように大きく3つのゾーンに分けます。

・パブリックゾーン:玄関、リビング、ダイニング、キッチンなど
・サニタリーゾーン:浴室、洗面室、トイレなど
・プライベートゾーン:寝室、書斎、趣味の部屋など

このゾーン分けのときに、各ゾーンからゾーンへの移動のための動線を考えます。
ここに、どのようなライフスタイルにしたいかということを加えると、暮らしやすい間取りが見えてきます。

例えば、老後の暮らしでは、動線はなるべく短い方がラクですから、家事とサニタリー、寝室とトイレはできるだけ近づけたいものです。
また、趣味を楽しむといっても、一人で書斎にこもってじっくり読書をしたいなら、玄関やリビングから離れた家の奥に書斎をつくるのがよさそうです。
対照的に、楽器演奏が趣味で友人を招いていっしょに演奏したり、人に教えたりしたいといった場合は、リビングの続きや玄関近くに防音ルームをつくるなど考えられます。


希望通りの居室やスペースをつくるには


次に、それぞれの居室やスペースについて考えていきますが、その前に、リフォーム後いつまで暮らしたいのか確認しておくことが大切です。
介護が必要になってからも自宅で暮らすなら、特に寝室やトイレ、洗面室、浴室の面積は広めに、車いすでも出入りしやすくしておかなければならないからです。

では、この点をおさえた上で、具体的な希望を出しながら効率の良い空間づくりを検討しましょう。
例えば、子供や孫が遊びに来られる広いリビング、夫婦ともに料理好き、趣味を楽しむ部屋、といった希望があっても、すべてをかなえるのはスペース的にもむずかしいかもしれません。

そこで、リビングダイニングに大きなテーブルを置いて、来客のないときは趣味のコーナーと兼用してもよいでしょう。
また、人を招いて料理をするのが好きでも後片付けは大変なもの。
遊びに来た孫に洗い物を手伝ってもらえるよう大きめのシンクや食洗機を設置するのもいいですね。

このように順を追って考えると、希望する老後の住まいが具体的に見えてきます。
希望に合わせた住まいづくりについてはお気軽にご相談ください。

(関連コラム:思い切って減築もアリ?老後を見据えたリフォームとは

No.099

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