「隠れた不具合」を見つけよう
賃貸マンションやアパートで入居者が決まってもすぐに退去してしまう?
そんな物件では、賃料が安定せず、ハウスクリーニングや原状回復の費用もかさみます。
そこには、内見や入居時には気にならなくても、住むうちに不満が溜まっていく「隠れた不具合」があるかもしれません。
この不具合は時間が経つうちに、匂いや暗さ、掃除が大変といった問題となって現れることがあります。
空き室が出たときには念入りに点検してこうした不具合を見つけ、しっかり補修しておきたいものです。
今回はそのためのポイントをご紹介します。
時間とともに匂いが発生?
ハウスクリーニング済みの部屋では、入居後すぐにはイヤな匂いはしないものです。
しかし、生活するうちに、キッチンや浴室などにカビ臭さやすえたような匂いが発生し、抜けないことも。
日々掃除をしていても、換気が不十分だと匂いは部屋中に蓄積していきます。
この原因として考えられるのは換気扇のパワー不足と防水パッキンの劣化。
換気扇のモーターが劣化していれば、排気能力も落ちます。
換気扇の動作状況を確認し、必要に応じて修理や交換をしましょう。
また、換気扇が正常に作動していても、水回りのパッキンが劣化していれば、湿気や匂いが抜けにくくなります。
キッチンのシンクや浴室ドアのパッキンにへたり、ひび割れがあれば交換が必要です。
夜の共用部に配慮を
入居者の不満の原因は専有部分だけにあるとは限りません。
内見は昼間に行うことが多いため、入居前に気づきにくいものとしては、共用部の照明もあります。
夜、エントランスや共用廊下・階段が薄暗かったり、照明が当たらず死角になる部分があると、女性にとっては不満を超えて不安要素となってしまいます。
さらに、アプローチからエントランスまでの明るさにも配慮したいものです。
夜間にこれらの場所をチェックして暗いと感じるようなら、ワット数の高い電球に取り替えたり、照明の数を増やすなどしましょう。
意外な掃除の負担
建物の周囲に植栽があれば、日よけや目隠しになりイメージも良いものですが、落葉樹は落ち葉が発生します。
秋になると専有部分のベランダや専用庭が落ち葉だらけになってしまうと、入居者の掃除の負担を増やすことになります。
入居者にとっては自分に原因がないのに、負担が増えるのは納得できるものではありません。
ベランダや専用庭に枝がかからないように、枝払いや剪定をしておきましょう。
以上のポイントを参考に、退去後の部屋やその周辺を一歩踏み込んでチェックすることをおすすめします。
一見すると見逃してしまいそうなことですが、こうした配慮をすることで長く快適に暮らせる物件づくりにつながります。
(参考:賃貸オーナー様プラスαのご提案)
(関連コラム:賃貸住宅の満足度と設備の関係 メンテナンスや付加価値を考える)
No.192