冬にお年寄りや小さな子どもが安心して使える浴室を考える

062 冬にお年寄りや小さな子どもが安心して使える浴室を考える

リフォームしたい場所のランキング上位にいつも入る浴室。
特にお年寄りや小さなお子さんがいるご家庭では、安全面や機能面などから見てどのようなプランがいいのか迷いますね。

今回はお年寄りや小さなお子さんも安心して使える浴室にリフォームするためのポイントをいくつかご紹介します。


浴室は家庭内事故の発生率が高い場所


国民生活センターの家庭内事故調査では、住宅内で起きる大けがや死亡にかかわる重大事故の中で、実は浴室での事故が階段に次いで多いという統計結果が出ています。
浴室内事故にあった人の約半数は4歳以下の乳幼児と65歳以上の高齢者です。

また、事故の内容も転倒によるすり傷や打撲、やけど、溺水などさまざまです。
こうした不慮の事故を未然に防ぐための配慮が、浴室リフォームのプランを考える上でとても大切なことなのです。


安全性を考慮したプランを考える


最近は脱衣室と浴室との床の段差をほとんど出さない設計が増えています。
関節の動きが悪くなり足が上がりにくくなったお年寄りや、視界が狭く足元を見ていない幼児にとっては床の段差がないことは転倒事故の防止につながります。
また洗い場の床や浴槽の底がすべりにくい加工になっている商品を選ぶことも大切です。


ヒートショックに注意


暖かい部屋から、服を脱いで、冷えきった浴室に入る。
この時に、体には重い負担がかかります。
特に血圧が上がることによる脳卒中や心筋梗塞などの恐れがあり、注意が必要です。

対策として、洗面室と浴室を事前に暖めておくことがあります。
コンセントがあれば使える暖房器具やシャワーを先に出しておくなど比較的簡単な対策もありますので、ひと手間かかりますが、寒い時期にはおすすめします。

転倒は床だけでなく浴槽をまたぐ時にも起こる可能性があります。
浴槽をまたぐ際に転倒しやすいのは洗い場の床と浴槽の底との高さが大きく違う場合で、この時浴槽側に転倒すると溺水の危険が高まります。
転倒も溺水も防ぐためには、できるだけこの2つの高さが同じ位置にくるようなプランがおすすめです。

その他、誤って熱湯が出て腕や足をやけどしないようサーモスタット(温度調節機能)付きのシャワー水栓を選ぶのは基本です。
シャワーヘッドの横に止水ボタンがついているタイプは操作が楽なので、お年寄りや小さなお子さんにも使いやすいものもあります。
こうした点は、各メーカーがかなり意識をしながら商品を開発していますので、最新のショールームに一度足を運んでみるのも良いかもしれませんね。

(参考:バスルーム工事価格表
(関連コラム:老後も安心して使える浴室づくり

No.062

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