人気の「対面キッチン」のデメリットとは レイアウトも考慮する

171 人気の「対面キッチン」のデメリットとは レイアウトも考慮する

キッチンには、「非対面式キッチン」と「対面式キッチン」の2種類があります。

非対面式キッチンとは、昔ながらの「壁にキッチンが付いており、壁に向かって調理する」スタイルのキッチンを指します。

一方、対面式キッチンは最近主流となっているキッチンのスタイルで、壁から通路をはさんだ場所に、部屋の中に向かって付けられたキッチンです。
室内(リビングダイニング)を見渡しながら調理できます。
カウンターキッチンと呼ばれているのも対面式キッチンです。

対面式キッチンだと、部屋が見渡せるため小さいお子さんがいる家庭でも安心して調理ができるというメリットがあります。
他にも、キッチンスペースとダイニングをしっかり分けられるのでニオイを遮断できる、仕切りがあるために多少キッチンが散らかっていてもダイニングからは見えない、などの利点があります。

しかし、対面式キッチンにデメリットが無いわけではありません。
ご家庭によって、もしくは家の間取り・広さによっては対面式キッチンにすることで後悔することもあります。


通路が狭くなる


従来の非対面式キッチンの場合、「通路」という概念がなく、後ろ側にいきなりダイニングテーブルがあることも珍しくありません。
料理中は通路として、食事中はダイニングテーブルのイスを引き出して座るところとして、二重にスペースを使うことができます。

しかし、対面式キッチンではキッチンスペースを区切ることになるため、十分な通路を確保しようと思うとダイニングが狭くなります。
ダイニングの広さを確保しようと思うとキッチンの通路が狭くなり、料理がしにくくなることもあります。

また、非対面式キッチンだとダイニングテーブルを作業スペースとして使うことができますが、対面式キッチンではできなくなりますので、作業スペースが減少することも考えておきましょう。


冷暖房が効きにくくなる


キッチンが独立したスペースとなるため、冷暖房の効率は悪くなります。
夏は特に、キッチンはかなり暑くなってしまうため、大型のエアコンに買い換える必要や風の循環を考えて扇風機を設置するなどの対策は必要でしょう。
ただ、キッチン上部の収納を設置しないことによってキッチンの区切りを減らせば、冷暖房の効率は改善されます。


シンクの水音がうるさく感じる


非対面式キッチンから対面式キッチンに変更すると、単純に、キッチンの場所が部屋の中央に近付きます。
リビングのテレビの音が、シンクの水音で聞こえにくくなるということも。
防音のマットを敷くなどして、水音への対策はしておいた方がいいでしょう。

特に、壁がないオープンキッチンの場合は音が気になりやすいです。


オープンキッチンにして収納が減る


解放感を重視した末に、上部の収納を設置しないことも多いです。
その方が解放感があり冷暖房効率も良くなるのですが、収納スペース自体が減ってしまうのは確かです。

他で十分な収納がとれる場合は問題ないのですが、もともとのキッチンが狭くて新たに他で収納を作ることが難しい場合は、解放感を妥協してでも収納を作っておいた方がいい場合もあります。


子供の姿が見えない・すぐに駆けつけられない


「子供の姿を見たいから」という理由で対面式キッチンにされる方は多いのですが、リビングのレイアウトによってはあまり子供の姿が見られない、ということもあります。
また、対面式キッチンだとダイニングとキッチンが区切られた状態になるため、何かあったときにすぐに駆けつけにくくなる、という心配もあります。
対面式キッチンにしたからと言って子供の安全が確保できる、とは限りません。


このように、対面式キッチンにも、さまざまなデメリットがあります。
「おしゃれだから」、「今どきっぽいから」といった理由だけで対面式キッチンにするのではなく、デメリットも踏まえた上で十分に検討されることをおすすめします。

特に、ダイニング、リビングと共にLDK全体の間取りを考えてからプランを選ばれるといいのではないでしょうか。

(参考:キッチン設備・仕様について
(関連コラム:定番レイアウトアイデア(キッチン・ダイニング編)

No.171

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