フローリング床材・壁・天井のカラーバランスでセンスの良い部屋に

064 フローリング床材・壁・天井のカラーバランスでセンスの良い部屋に

日本の住宅はここ数十年「フローリングの床に白い壁や天井」という部屋が主流でしたが、最近はさまざまな組み合わせが見られるようになってきました。
特に室内の大きな面積を占める床、壁、天井のカラーバランスは、部屋の雰囲気を左右する重要なポイントです。

リフォームという機会を生かした、これまでとは違う新しい雰囲気の部屋づくりについて、床、壁、天井のカラーバランスという視点から考えてみます。


床、壁、天井すべて薄いというカラーバランスの場合


メープルやホワイトオークなどの色みが薄いフローリング材は、10年ほど前にシンプルモダンインテリアが流行してから人気が定着しました。
薄い色味は組み合わせが簡単そうに見えますが、どこを見ても明るいため平板な印象を与えやすくなります。
たとえば4面ある壁面の1面はタイルなどを貼ったアクセントウォールにして焦点をつくる工夫をするといいでしょう。


床が濃く壁や天井が薄いというカラーバランスの場合


チェリーやウォールナットなどの色みが濃いフローリング材は、世代にかかわらず根強い人気があります。
足元が濃く目線に近い部分が明るいと人は心理的に落ち着くので、そうした効果を無意識に感じることが好まれる理由でしょう。

室内が暗くなりそうだというご相談をよく受けますが、壁や天井を白や薄い色にすれば外からの光や照明器具の光が反射して暗くなりにくいので心配は要りません。
また、窓枠やドアを床と同じ色味にすると統一感があり、壁や天井との濃淡のメリハリが効くのでおすすめです。


床や壁が薄く天井が濃いというカラーバランスの場合


茶室でよく使われていたカラーバランスです。
畳や塗り壁の色よりも濃い色を天井にもってくることで、静かに時が流れる厳粛な雰囲気を出していました。

現代の場合、厳粛というよりもリラックスできる効果を高めるために、床よりもやや濃い天井にする事例が増えてきています。
天井の高さによって同じ色味でも雰囲気が大きく変わりますので、取り入れる際は事前によく色みを確認しておきましょう。


一部の壁を濃くするというカラーバランスの場合


壁や天井がすべて無地だとシンプルではありますが立体感が出にくいもの。
壁の1面だけ濃い色が入ったクロス壁や塗り壁にすると、全体のアクセントになります。
錯覚によって、後退色であるブルー系を選ぶとその壁面は遠く感じ、進出色であるイエロー~レッド系を選ぶと近く感じますから、面積が狭い部屋の場合はブルー系を入れると広めに感じる効果を得られます。

これらのカラーバランスはお好みのインテリアスタイルによって、合う合わないがあります。
お持ちの家具をリフォーム後も使用する場合は、家具の色も考慮しながらカラーバランスを決めていきましょう。

(参考:壁紙でここまで出来る 部屋をおしゃれに魅せる7つの技。
(関連コラム:リフォームでできる部屋を広く見せる工夫とは

No.064

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