平均空室率が20%程度という昨今の賃貸市場、空室が目立ちだすと拍車が掛かりだします。その中で勝ち組になる為には常日頃から先を読み対策を練ることが大切です。空室対策とは、ただ単にこれをすればよいというものではなく、外観、設備、金額等、総合的な改善が求められますので、今出来ることから始めてみませんか。
空室対策はオーナー様の永遠の課題です。最近はリノベーション等をお勧めするサイトが増えましたが、空室対策はそれだけではありません。空室対策のHow Toを解説します。
以前は満室だったのに…
以前はいつも満室かそれに近い状態だったのに…?
最近は新規入居者が全然決まらなくて空室が増える一方で…?
家賃も下げたのにどうして入居者が決まらないのだろう…?
隣の物件は満室なのに、私の物件はどうして空室が目立つのだろうか…?
新規問い合わせの家主様から多いご相談です。収益不動産の入居率低下には、必ず何か原因があります。よく聞くお問い合わせとして…
よくあるお問い合わせ
- 周辺に比べて建物が古いから?
- 近くに新築物件が出来たから?
- 見た目がぱっとしないから?
- 不動産業者が案内をしてくれないから?
- 敷金・礼金が高いから?
- 案内はあるのに決まらない
- 家賃が相場より高いから?
- なぜ埋まらないかも解らない
など色々な事情が挙げられますが、その原因を的確に突き止め、対策を講じることによって不人気物件だったのが人気物件に変貌を遂げることも有り得るお話しです。
入居者が減ってくると、見た目にも暗いイメージがして、お客様をご案内した際にも良いイメージを与えることはないでしょうし、ましてや不動産会社の営業マンからお客様の案内まで敬遠されてしまうことにまでなりかねません。不動産の営業マンは歩合制で動いている方が多い業種ですので、お客様が見て決まりそうに無い物件には、基本的に案内はしてくれないものです。
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自分が営業マンだったとしたら、現在のあなたの物件を案内しようと思いますでしょうか?
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お客様の立場に立って、そのお部屋を借りたいと思うでしょうか?
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もう少し深く突き詰めていくとすれば、今借りて頂いている入居者は満足して入居して頂いているのでしょうか?
昔のように家主さんが入居者に部屋を貸してあげているという考えではなく、家賃を頂く以上、入居者はお客様であり、そう考えると不動産は商品ですから、対価に見合った商品を提供し、その後のアフターサービスまでを考えて賃貸経営をすることによって、安定した賃貸経営にも繋がっていくことでしょう。
以下の項目では、もう少し具体的に突き詰めて問題点を解決していきましょう。
激戦区で勝ち組になるには…
近隣にたくさんの物件があるのに、あそこの物件はなぜかいつも入居率がいい。その様な物件があなたの近くにもありませんか?勝ち組になるには、その様な物件をオーナーがつくることが前提条件でしょう。
新築物件や最新の設備が完備されている物件ならまだしも、そうでない物件でも入居率が良い物件はたくさんあります。そのような物件は、最初から現在に至るまで高い入居率を保ち続けているのでしょうか。
確かにその様な物件もあるでしょうが、ほとんどの場合オーナーが試行錯誤し入居率を維持する為に、何らかの努力をされて来たことにより現在の入居率を維持しているのでしょう。
そのような物件はなぜ、高い入居率を維持することができているのでしょうか?その理由をこれから一緒に分析していきましょう。
隣接して建っている物件で、賃料価格帯や広さも同じぐらいなのに隣は入居者がすぐに決まるのにこちらの物件はなかなか決まらない。最終的にお部屋を決めるのはお客様ですから、2つの物件を見比べたときに余程特殊な事情でもない限り、総合的な判断でその物件は負けてしまっているのです。
では、その負けている原因を突き止めて、解消すれば入居率が上がるのではなく、その物件と同等になっただけであり、まだ入居率の向上としては弱いでしょう。負けている原因を解消し、その上で今まで負けていた物件を上回る何かを確立しないことには、本当の安定収入を得るのは大変なことでしょう。
あなたは入居者からクレームがあった時、どのように感じますか?
実際、管理会社に委託しているオーナーの場合、管理会社が自社で解決しクレームの全てをオーナーに報告していない場合も多々あるでしょう。しかし、入居者からのクレームは物件という商品に対するお客様の声であって、クレームの中には入居率を維持するヒントが隠されていることも多いものです。
そのヒントをいち早く察知し、改善することが勝ち組への第一歩です。昔のように、不動産を持っていれば放っておいてもお金が入ってくるという考え方では無く、ビジネスとして確立し維持していくためには、他の物件との競争に勝ち抜く為の何かを常に意識し不動産ビジネスを進めていくことが必要であると思われます。
待つだけでは、空室は埋まらない
今までの家主業は、お部屋が空室になったときには、不動産屋さんの言われた通りにリフォームして後は入居者が決まるまで、ずっと待っているのが普通であったと思います。
なかなか入居者が決まらないときは、不動産屋さんに連絡して「なぜ決まらないの?」と聞くぐらいで、家主さんから何かをする方はほとんどいらっしゃらなかったと思います。
不動産屋さんに連絡しても大体帰ってくる返事は「頑張っているのですが」とか「家賃が周辺より高いので」等の回答が大半を占めているでしょう。
確かに、不動産屋さんは頑張ってくれているでしょうし、もしかしたら家賃も相場より高いかもしれません。不動産を借りる方は、あなたの物件だけを見るのではなく幾つかの物件を見てから最終的に決定する訳ですから、あなたの物件で決まらなかった場合は物件だけでは無く、自分にも原因があると認識することが大切です。
では、お客様がたくさんの選択肢の中からあなたの物件に決定して頂く為には、どうすれば良いでしょう。
家賃を値下げする事や、敷金・礼金をゼロにすると入居率が上がるとは思いますが、その分あなたの抱える金銭的なリスクが増えることになります。家主業を長期的に運営していくには、出来る限りリスクは回避したいものです。
賃貸契約書の条文の中によくこういった文面があります。
「借主は、自己の責任において本件不動産を維持管理することに努める」
文面の表示はそれぞれありますが、簡潔に述べますと「たとえ借りているお部屋であっても自分の物のように大切に扱ってくださいね。」というごく当たり前のことです。
もし、あなたがお部屋を借りるなら自分の所有する不動産を見て、「ここなら借りて住んでみたい」と思われますか?そこが大切なのです。
あなたが、是非借りたいと思えるような物件に変貌させるべく工事業者さん・不動産屋さん・管理会社と連携をとり、ご自分から率先して前向きに行動することが大切です。あなたが前向きに考え、これから変えていこうとする気持ちは他の業者さんにもきっと伝わるでしょうし、その中からおのずと答えは出てくるでしょう。
効率よくリノベーション
最近リノベーションという言葉をよく耳にするかと思います。リノベーションとリフォームとのちがいは?当社でもよくご質問されることです。
簡単にご説明いたしますと、リフォームは家主業の中で普段されておりますクロスの張替えや畳や襖の交換などを指します。リノベーションは今までのお部屋のイメージを一新して全く別のものに作り変え、今までのお部屋の持っているスキルを上げる工事だと考えてください。
テレビ等でよく見かけるリノベーションはすごく綺麗で、自分も住みたくなるようなお家がたくさん出てきますよね。確かにリノベーション物件は人気もあり入居率も向上しますが、その反面掛かる費用も多額になることも多々あります。
収益物件はいかに効率よく投資金額を回収していくかが、基本概念としてありますので、現実のお話しとして全てのお部屋に多額の投資をすることは難しいことでしょう。あまり予算を掛けずに上手にリノベーションする方法の幾つかの例を挙げて見ましょう。
ワンルームマンションを例にしますと(約20m²)
上手にリノベーション
- クロスを従来のものではなくデザイン柄のクロス施工をする。
- 防音施工をして、楽器の演奏等が出来るお部屋にする。
- 玄関ドアにシート等を施工しイメージを変える。
- 照明器具の変更や間接照明の取り入れ。
- 床材変更や消臭クロス等の施工でペット対応にする。
例えば家賃5万円のお部屋を空室で4ヶ月間放置しておくことを考えると、ある程度の予算は捻出できるでしょうから、お部屋に付加価値を付けることで、賃料の値下げや敷金・礼金を下げることをせず入居率向上の一つの方法でしょう。
不動産屋さんとの上手な付き合い方
家主業をするうえで、不動産屋さんとの関係は大切にしたいものです。
最近は、賃貸専門店等の大手フランチャイズ店が駅前等ではたくさんあり、何処に頼めばいいのか本当に迷ってしまうものです。たくさんの不動産屋さんに頼めば、たくさん案内をしてもらえてすぐに入居者が決まるとお思いでしたら、それは大きな間違いです。
確かに何処の不動産屋さんでもお客様をご案内できる物件が多いことに越したことはないのですが、インターネット環境が普及している現在の不動産業界では、一社に依頼することによって、瞬時にたくさんの業者さんに情報が開示される仕組みになっております。
建物の管理を管理会社に委託すれば、物件案内はその不動産業者が率先して対応してくれますが、そうでない場合は連絡が確実に取れる、信頼のおける不動産屋さん一社に絞ってお任せする方法をお勧めします。。
その理由として、物件案内を行う場合まずは、不動産の営業マンは、たくさんの物件資料の中からお客様のニーズにあった物件をセレクトし紹介します。その時点で、自身の物件を紹介して貰えなければ、案内に進むことはありません。
営業マンからすると自社のみに依頼されている物件であれば、物件の空室状況を把握しておりますし、他の不動産業者に対して空室状況を発信してくれますので、他社でも案内が容易です。管理物件であれば、入居している間は管理料収入が生まれますが、仲介のみの場合は、紹介しやすい物件や広告料収入のある物件の紹介が優先される傾向にあります。
「案内は頻繁にあるのに決まらない」という声もよく聞きますが、その様な物件は、ひょっとすると業界用語で言う「あて物」にされている可能性も考えられます。不動産業界の業界用語で「あて物」「決め物」という言葉があります。「あて物」というのは最初からその物件で決める訳ではなく、「決め物」で決めてもらうための比較材料として案内する物件になります。
案内はよくあるのに決まらない物件は「あて物」にされている物件を「決め物」にしてもらうには、営業マンがお客様を案内した際に「この物件を見せれば、お客様は気に入っていただける」と思える物件であることが大切になります。
不動産営業マンはあなたに代わって物件の窓口となる大切なブレーンです。そのブレーンがあなたの物件について詳細に知っていることによって、あなたの物件が成約につながる可能性はグッとアップします。
投資あっての収益
一棟マンション等をお持ちのオーナーさんで空室が3室あったと仮定します。
良く聞くお話しとして、一部屋はリフォームしていますが、後の二部屋はその物件が決まってから順番にリフォームする。確かに予算の事もあるし、入居者が決まっていないお部屋が3室あれば、決まってから順番にリフォームすればと考えるのは解りますがそれは間違いです。
不動産に全く同じというのは有り得ないわけですから、リフォーム前の物件を見せてこの物件は他のリフォーム後の物件のように綺麗にしますからと説明されても、一般の方にはイメージしにくいものです。
リフォームを先にしていれば決まっていたかもしれません。お客様ご案内の際には常に万全の体制で準備し、見て頂く様に心掛けてください。
「不動産は管理が大切」という言葉を聞かれたことはありませんでしょうか?不動産は日々のメンテナンスや定期的な補修工事等投資することも大切です。的確な設備投資をすることによって入居率も上がり収益も向上することでしょう。
日々の大切な設備投資
- 建物周辺の定期清掃(集合ポストやエントランス等を念入りに)
- 共有部分の電球等の定期的交換(切れる前に交換)
- エレベーター等のメンテナンス
- 鉄部の塗装工事(5年ごとぐらいの周期で)
- 外壁塗装工事(屋上等の防水も含め10年ごと)
収益マンション等の場合は分譲マンションとは違い大規模修繕に関しましては、オーナーご自身での多額の負担となり、先延ばしにする方が多い傾向にありますが、その投資を先延ばしにすることによって、建物の老朽化が進み入居率低下の要因となってしまいます。
あなたの周りにも手入れもせず、廃墟のようになっている物件がありませんか?そうなってしまってからでは、遅いのです。設備関係を例にとると一つ不具合を起こしたものを放置しておくことによって、他の部分に負担が掛かり結果的に負担額が増えてしまうことも多々あります。
不動産も車などと同じように、定期的にメンテナンスや清掃等をしてこそ長持ちをし、高い入居率を維持することが出来るのです。その為には物件に対して投資することはとても大切なことであると言えるでしょう。
大家さんも努力が必要
自分がお金を出してオーナーをしているのに努力って必要?
そうお考えの方もいらっしゃるでしょう。ここで述べる努力は、オーナーとして自分のブレーン(管理会社・不動産業者・工事業者)の人たちに頼らざるをえないのですから、自分の物件(=自分)の為に、彼らに気持ちよく動いて貰える様に努力するべきです。
管理会社には?
建物の日々のクレーム処理からメンテナンスの打ち合わせまでを一括して請け負って頂いているのですから、毎月の管理委託料を払っているから当然と思わず、自分の大切な資産を守って頂いていると考えることが大切です。
管理会社と円滑な関係を築くことによって、頼み難いことも頼めるようになりますし、あなたの物件に対して愛着を持って頂き、入居者に対するサービスの向上に繋がるものです。
管理会社の声は直接お客様の声であると認識し対応してください。
工事業者には?
通常退去後のお部屋のリフォームを行うのは、管理会社から依頼された業者さんが施工する事が大半を占めているようですが、工事業者の方はあなたが依頼されている管理会社の工事だけではなく、色々な現場を施工されています。
今はどんな壁紙がはやっているとか、あそこはこんなリフォームをしてから入居率が上がったとか現場ならではの情報をもっています。築浅の物件なら通常のリフォームでもよいのでしょうが、入居率が下がってきている状況では、他と同じでは改善されません。彼らの声に耳を傾けることが他の不動産との格差をつけるべき大きなヒントとなるでしょう。
物件が遠方にあり、あなたが直接物件に立ち寄れる機会がどうしても困難な様でしたらそれなりの設備投資も覚悟したうえで、管理会社に積極的に相談し前向きに改善を進めて行きましょう。
管理会社=不動産屋さん?
あなたはご自分の物件の管理を何処に依頼してますでしょうか?
物件管理は何処に依頼?
- 物件を購入した不動産会社
- 購入以前から物件管理を行っていた管理会社(不動産会社)
- 不動産管理を専門に取り扱っている管理会社
- ご自分で管理
ほとんどの方は上記に当てはまる事でしょう。
では、あなたの不動産経営を円滑に進める為のパートナーとして、どうすれば良いのでしょうか?
管理会社と不動産会社は同じようで少し違っています。確かに管理会社が不動産仲介を行ったりもしますし、色々な不動産会社が不動産管理を行っております。ここではっきり申し上げておきますと、通常の管理委託料が収入賃料の5%程度であれば、企業側にとって管理業務は決して儲かる分野ではないのです。ではなぜ不動産会社が管理業務を行うのでしょうか?
それは、管理に付随する利権とでも言いますか、オーナーや入居者には解らないところで、様々なバックマージンが動いているのです。入居者に強制的に掛けて頂く住宅総合保険であれば、管理会社は通常代理店契約をしておりますので、そのバックマージンがありますし、最近は当たり前になりつつある保証会社も代理店契約として、バックマージンが発生しますし、内装工事でも管理会社でマージンが乗せられていることも有り得ます。商取引としては当たり前のことですが、あなたの知らないところで色々な利権が発生しているわけです。
ましてや、管理会社になるということは、その物件の窓口になることですから、広告協力費等、入退去が発生する度にお金が入る仕組みになっているわけです。不動産会社の物件資料の備考欄に指定火災保険加入要であるとか保証会社加入要と記載されているので、一度ネット等で調べてみてください。
では何処に頼めば?
不動産業者といってもそれぞれ専門分野がありますので、その得意分野を上手く見つけあなたに合った管理会社を選ぶ事です。
物件の管理やメンテナンスは全てご自分でされる方は賃貸専門店(主に入居者斡旋の為、第一線であなたの物件を紹介して頂ける)をお勧めします。
完璧な管理状態を望むのでしたら、管理専門の会社(一概に不動産会社とは限りません)に依頼されればよいでしょうが、不動産会社ではありませんので、全般的に集客力や不動産業者間の横の繋がりが無い為、入居者斡旋は弱い傾向にある。
売買専門店(大手不動産会社の直営店や普段折込みチラシ等をされている業者)
最近は大手不動産会社でも賃貸部門等を設立している業者も増えましたが、会社の規模が大きい為、社内規定等で行って頂けない部分がある場合や、全般的に工事代金が割高になっている傾向にあります。
不動産管理をメインに取り扱っている不動産会社や工事がメインの不動産会社
上記の業務がメインの会社は年間の工事発注量や取引件数、賃貸専門店との繋がりが多いので、全てお任せしたいオーナーにはお勧めでしょう。他の業者に比べて年間の工事発注量が多いので、工事のコストも下がりますし常に現場と接している訳ですから、他のオーナーの動向もわかります。担当者と親しくなれば他のオーナーが処分したい物件の情報をいち早く教えてもらえることもあります。
家賃を値下げするその前にするべきこと
入居者が全然決まらないので、家賃を下げませんか?
あなたは管理会社からこの様に言われたことはありませんか?
確かに、入居者が決まらないので家賃を下げるのは必要なことかもしれません。
でも、あなたはそれ以外のことを全部行いましたか?
値下げの前に
- 建物の周辺はいついも綺麗になっているか?
- するべきリフォームやリノベーションは?
- 建物のメンテナンスはきちんと行われているか?
- 近隣の物件と見比べて負けているところの改善は?
- 管理会社との関係は円滑か?
- 必要なところに必要な資金を掛けているか?
家賃を下げるのは一言「はい、いいですよ」と答えれば可能かもしれません。しかしその一言によりあなたの不動産は負のスパイラルへの階段を一歩踏み出したことになるのです。
あなたの物件が周辺に比べて高くない限り、家賃の値下げや敷金・礼金の値下げは最後の手段と考えてください。
家賃と言うのは、商品を売る場合の定価であり、値下げはバーゲンと同じなのです。一度下げた価格を上げることは非常に困難であり、既存の入居者にも値下げ募集の情報は直ぐに伝わるものですから、契約書上は値下げする必要が無くても、言ってくる方は沢山いらっしゃいますし、契約更新時には言われても仕方のないことでしょう。一度でもそれに応えてしまうと、連鎖的に全ての部屋の賃料を値下げすることにもなりかねませんので値下げの際は慎重に考えてください。
最近流行の敷金・礼金ゼロ物件ですが、確かにお客様の目を引くとは思いますが、結局のところオーナーがリスクを背負う形となっております。前提として、保証会社の加入を条件としているところが殆どですが、賃貸借契約は2年なのに対して保証会社は1年契約の更新のところもあり、契約更新が行われなかった場合はそこで保証が切れてしまう場合もあります。
賃貸借契約は契約者や保証人の契約時のデータで締結するわけですから、1年後までは予測できないものです。確かに借りる側からすると敷金・礼金ゼロは魅力的なものですが、その反面オーナーがリスクを背負うことも視野に入れておいてください。最終的にリスクを背負うのはあなた自身ですから。
オーナーの立場からすると、掛かった工事費用回収の為に借主から礼金をたくさん頂いて、その資金を工事代金の支払いに充てたいものですが、借主からすると敷金を払うのに抵抗はなくても、あまりに高額の礼金は敬遠される傾向にあり、案内まで至らない場合も多々あります。
例えばサラリーマンの方が、転勤するのでご自分の家を賃貸に貸したいと考えます。空き家になってから、最初にリフォームをするのですが、その費用が50万円するとして、通常一般のご家庭で自分が住まない物件の為に50万円を出すにはとても抵抗があるでしょう。
そこでよく不動産会社から言われるのが、「礼金で40万円」頂くのでオーナーは10万円だけ負担して下さい。こういった物件は分譲貸しの物件によく見受けられますが、あなたが借りる場合その様な物件を借りるでしょうか?
例えば家賃8万円、敷金16万円、礼金40万円とします。確かに分譲貸しと聞こえは良いのですが、借りる側からすると最近は建物の性能も上がっておりますので、帰ってこないお金を40万円も払いたく無いわけです。
結局入居者が中々見つからず、3ヶ月・4ヶ月と過ぎてしまい、住宅ローンの支払いはあるのに家賃は入ってこないという最悪のパターンとなるわけです。空室期間が3ヶ月であれば24万円、4ヶ月であれば32万円の収入を逃してしまったことになります。これを募集の際にせめて家賃8万円、敷金16万円、礼金16万円としていれば入居者が早くに決まっていたとは思えませんでしょうか?
オーナー業をするには、オーナーの都合ではなく借りる方(もし自分が借りるならを考えて)の動向を的確に捉えることが大切であります。
自分の物件は第三者的な目線で
全般的に自分の持ち物は気に入って購入するわけですから、他人の物より良く見えてしまうのが常です。しかし、家主業をこれからも続けてゆくのであれば、第三者的な視点で常に自分の物件を見続けることが必要です。
簡単に考えれば、自分が借主の立場に立ってみて自分の不動産を借りたいと思うかです。自分が借りたくないと思う物件は、他の方も借りたくない訳です。
第三者的な視点で見ることによって、その物件の良い点や悪い点、改善するべき部分が見えてくるのです。その改善する部分を早く見つけ、オーナー自ら率先して行動に移すことが、高い入居率を保ち、あなたの不動産経営の安定に繋がるわけです。