神戸市・明石市ともに耐震強度不足の住宅について、耐震改修の補助金の制度があります。中古物件購入を検討している方にとって気になる補助金のポイントと耐震改修の考え方についてご説明します。
まだまだある耐震強度不足の住宅
日本の住宅戸数は、国の統計では約5000万戸となっています。その内の25%が、耐震強度不足で、大きな地震が発生した時に、倒壊の恐れがあると言われています。
神戸では、阪神淡路大震災もあり、多数の犠牲者が出ました。人命を守るために神戸市・明石市でも耐震診断・耐震改修に補助金の制度があります。
補助金のポイント
自分の家または、これから購入しようとしている家の耐震改修に補助金がでるかどうかや、いくらまで出る可能性があるかについて、ポイントは3つ!
ポイント 1建物の条件
昭和56年5月31日以前に建てられた物件であることが補助金の条件
昭和56年(1981年)の建築基準法の法改正で、耐震基準が大幅に見なおされました。この基準を新耐震基準といいます。新耐震基準が施行される以前に建てられた物件は、地震に対して倒壊の危険性が高い物件とみなし、神戸市・明石市でも物件の耐震改修の補助がでます。
ポイント 2補助金の額
神戸市の物件が対象。内容により補助金の額は異なります。
詳細については、補助金の額は耐震工事費の1/3や1/4までとなる上限や戸建住宅と共同住宅とでの違いなどがあります。その他の条件によっても補助金の額が変わりますので、詳しくお問い合わせください。
ポイント 3補助金の種類
設計費(調査・耐震計画)と工事補助の2種類がある。
耐震改修を行うためには、現状の把握を行う必要があります。事前の検査費用は、無料のものと補助金付きの有料のものがあります。診断をおこなった後、検討を行うこともできます。神戸市・明石市から派遣された建築士が診断にあたります。
なお、これらの補助金は、県の予算に従い進められるので毎年の予算額により募集数は変動します。また、制度自体がなくなる時もありますので、気になる場合はその都度お問い合わせください。
新耐震基準を満たせば安全?
昭和56年(1981年)6月1日以降に建てられた物件には、補助金が出ないわけですが、耐震改修は必要ないのでしょうか?
住宅の耐震強度を示す指標として、2010年の住宅性能表示制度に基づいた耐震等級という基準があります。2010年以降に新築された建物で、審査・適合証明をうけた建物に対して認定されるものです。その基準は以下の様なものです。
耐震等級1 | 数百年に一度発生する地震(震度6から震度7程度)の地震力に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震(震度5強程度)の地震力に対して損傷しない |
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耐震等級2 | 上記の地震力の1.25倍の地震に対抗できる |
耐震等級3 | 上記の地震力の1.5倍の地震に対抗できる |
この基準に当てはめると、建築基準法で満たす耐震等級は、1級と同等と言われています。つまり、新耐震基準以降に建てられた建物でも、地震への強さに違いがあり、等級3へ耐震改修を行うことで、より安全性が増すことになります。
最近の新築では、等級3の仕様を売りにしているメーカーもあります。中古物件の場合には、新築の時に適合証明を受けていなければ、耐震補強をおこなっても後から等級の認定を受けることはできませんが、実質的に耐震性がアップする工事は可能です。ちなみに長期優良住宅の場合、耐震等級2以上必須となっています。
耐震改修は、主に柱・壁・基礎などの構造部への改修となりますので、壁紙の貼替えやフローリングの貼替えなどのインテリアの模様替えを行う場合に、合わせて行うことで、工事費を抑えることに繋がります。
耐震改修の平均予算はいくらぐらい?
地域や建物の構造、築年数によって違いがありますが、国の統計では、100万から200万が1/2、100万円未満が1/4と全体の3/4を占めています。
耐震改修をするかどうかの判断
リフォームを思い立って、計画を練っている段階で、希望がどんどん広がり「あれもしたい、これもしたい」となり予算をオーバーしがち。
その場合に、耐震改修とインテリアへのこだわりについて、どのように折り合いをつけるかは、お客様の考え方になります。
阪神大震災や東日本大震災が発生し、多くの犠牲者と被害を目の当たりにしたことで、日本人の地震への感覚は間違いなく変化しています。そして、現場でも家の安全性へ予算を使う方が広がっていることは実感します。
中古物件の場合
解体して新築を建てるのか、耐震改修を含めて大規模改修を行うのかの判断が一番の課題。そのような悩みに直面した場合、不動産価値と解体費およびリフォームの見積りが必要になります。