契約手続きとお金の話手付金の役割
手付金には大切な役割があります
売買契約時に、売主は買主から手付金を受け取ります。一般的には、売買代金の10%程度のケースとなります。この手付金には、決済時の残代金の支払い時に売買代金の一部として充当されます。また、買主はこの手付金を放棄することで、契約を解除できる期間があります。
手付金には、契約の意志を明確にするという意味もありますので、額が多ければ多いほど、買主の購入したい意志は強いと言えます。逆に少ない場合は、仮押さえ的な感覚で、簡単に解除される可能性がありますので、手付金の額は、5%~10%を目安にするのがよいでしょう。
売買契約を行ない、手付金を預かった以上、契約が解除にならない限りは、売主は他の買主に売ることはできません。一般的に売主から解除を行う場合には、手付金の倍返し(手付金が100万円の場合は、200万円)を買主に支払うことで解除は可能です。
契約の解除は、物件を購入する予定で準備をおこなっている買主に取っても、売却が決まった売主にとってもリスクが大きいため、契約を守るための砦の役割をしています。
売買契約から決済までの間にいつでも解除できるわけではなく、売買契約から2週間程度が一般的です。逆に言うと、この期間であれば、手付金を放棄または、倍返しを行うことで、契約を解除できるため、どうしても譲れない気持ちの変化や特段の事情が発生すれば契約が白紙になってしまう微妙な期間であることが言えます。
手付金を少なくしてほしいと言われたら?
買主様の中には、手付金を出来る限り少なくしてほしいと依頼してくる人もいます。
手付金を少なくしてほしいという理由には、「他に本命物件があるため解除するかもしれない」「自己資金が少なくローン借入額が限度いっぱいで審査が通りにくい」などがあります。
そのような場合には、買主から契約を解除されたり、ローン特約により白紙撤回になったりするリスクが発生しますので売主に取って不利になることが多いで、契約する場合には注意が必要です。