契約手続きとお金の話売主の告知義務とは
どこまで伝えれば良い?
売買契約時に、引き渡し後に見つかった問題点について、売主が買主に対してどこまで責任と追うのかについても取り決めます。
見つかった問題が、売主が容易に知り得た内容で、買主に知らされていない場合には、告知義務違反ということでトラブルになることがあります。ですので、売主は物件について知り得る限りの事実を伝えることが必要です。
ではどの何処までの内容を伝えれば、売主の責任を果たせるのでしょうか?
法的に言えば、「売買の目的物に通常の取引上の注意では発見できないような隠れた物質的欠陥があったとき」となります。つまり、売主が知っている情報をすべて伝えれば、売主の告知義務は果たせます。
例えば、「給湯器が壊れてお湯が出ない。」「廊下の床が沈んでいて抜けそうだ。」など、買主の内覧時には、分からないかも知れない問題ですが、生活していればわかることなどです。このようなことを告知せずに売買契約を行うと、不正な隠蔽として、損害賠償に発展する場合があります。
重要事項の説明書に記載されている物件に関する情報はもちろんのこと、そこにない項目でも、売主が知っていることは、すべて買主に伝えることが告知義務となります。
隠れた欠陥が見つかった場合には?
売主も通常の注意では知り得なかった事実が後々見つかった場合には、「瑕疵担保責任」(隠れた欠陥に対する責任)の問題となります。
例えば、見え無い部分の配管の傷みなどです。売主にとっては、瑕疵担保責任は、いつ発見されるか分からない問題で、かつ引き渡し後に発生した問題が曖昧になるため、大きなリスクとなります。
売主にとっては大きすぎるリスクを制限するために、個人間の売買契約では、瑕疵担保責任の期間を引き渡し後、3ヶ月間とすることが一般的です。売主が宅建業者の場合な、この期間は、2年より短くすることはできません。
買主もこの期間に、気になることがないか確認する期間となります。買主があらかじめ知っていた事実については、瑕疵担保責任の問題にも発展しませんので、あらかじめ知っていること、注意深く調査することで知り得たことについては、売主に不利な内容でも必ず告知するべきです。
売買契約で一番多いトラブルは、買う前に知らなかった問題が発見されたときの対処法に関することです。買主にとっても、売主にとっても不安な要素ですが、物件に関しての情報は売主がすべて持っているため、売主は、買主が知り得ない物件情報を確実に伝えることが義務付けられています。