不動産会社を選ぶまでどちらが良い?「一般媒介契約」と「専任媒介契約」

不動産業者に物件の売却依頼をする場合の契約は３種類あります。
それらの詳しい説明は、こちら、不動産仲介（媒介契約）の種類にありますが、契約は大きく分けて、一定期間、売却を１社だけに任せるタイプの、「専属専任媒介契約・専任媒介契約」と複数社に依頼ができる、「一般媒介契約」に分かれます。

では、売却がうまくいく契約はどちらのタイプになるでしょう?

（専属）専任媒介契約は、売却依頼を１社だけにお任せする契約です。

専任媒介契約のメリットデメリットは、１社に決めることによるものとイコールです。

つまり、お客様が不動産会社を1社に決めることで、ほかの業者に依頼することができなくなるデメリットを受ける代わりに、不動産会社は、販売活動とお客様への定期報告をしっかりする義務を約束します。

専任媒介契約を行った不動産業者としては、３ヶ月間、独占して販売するチャンスを得ることで、その期間に売れば確実に売主様から仲介手数料をいただくことができるという安心感があります。その前提で、費用をかけてしっかりと広告活動を行えます。

この信頼関係により成立するのが専任媒介契約です。
お客様は、「不動産会社を信頼する」、不動産会社は、「任せてもらえている」と感じることができるため、売却成果に繋がりやすいわけです。

一般媒介契約の場合は、お客様は何社に対しても売却依頼ができます。お客様にとっては、いろいろな会社へ依頼できるためより売れる可能性が高いように感じるかもしれません。

しかし、一般媒介契約には、契約の有効期間の取り決めもなければ、レインズへの登録の義務もなく、お客様への報告の義務もありません。

過去の不動産業者間での情報のやりとりがなく、そのお店に行かなければ物件の情報がなかった時代には、多くの不動産会社と媒介契約を行う意味もありましたが、レインズという業者間ネットワークができた今は、1社に専任媒介契約を依頼した時点で、専任媒介契約の場合で７日以内に他の不動産会社に売却依頼した物件の情報が行き渡ります。それにより、購入希望者への情報提供が、その情報を得たすべての不動産業者が可能となるわけです。

もちろん不動産会社はお客様の意向にそった形で契約を行ないますので、一般媒介契約が、結ばれることもまだまだありますが、せっかく費用をかけて広告活動行っても、いつ他社で売れてしまうかわからない物件に費用をかけない会社も多く、単に複数の不動産会社がレインズに同一物件を掲載することになるか、それを見た不動産会社が直接売主様と一般媒介契約を結ぶことを狙う形にしかならない可能性は高く早期売却には向いていないと言えます。

唯一、一般媒介契約の良い点は、レインズに登録する義務がないため、売り出ししていることを極限まで知られたくない場合に、不動産会社と媒介契約を結ぶためには利用できます。

誰にも知られずに売るというのは、不動産会社の見込み客または、有望なお問い合わせ中から、その物件を買う可能性がある人を厳選して、直接連絡を取り物件情報を伝える販売方法です。

このような特殊な物件の場合は非常に稀ですが、プライバシーを極限まで守りながら売却を進める場合にはこの形になるでしょう。

専任媒介契約の有効期間は最長３ヶ月なので、３ヶ月間は１社の不動産会社に任せてみてはいかがでしょうか？

更新時期や更新期限までの不動産会社の活動報告を確認しながら進めるのが良いと思います。