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【不動産コラム】一定期間だけ家を貸すことが出来る「定期借家」とは

一定期間だけ家を貸すことが出来る「定期借家」とは

No.62

一定期間だけ家を貸すことが出来る「定期借家」とは

持ち家の方が引越しをする場合、今の家をどうするのかを決める必要があります。もう今の家に戻ってくることが無いのであれば売却するの方が多いですが、今の家に戻ってくる可能性がある場合、売却してしまうのはもったいないですし、現実的ではありません。

一時的に今の家から引越し、また戻ってくるのであれば「賃貸として貸し出す」という方法があります。

ただし、賃貸として貸し出す場合には、問題もあります。

一般的な借家契約(普通借家契約)の場合、貸主から解約を申し出たり、更新を断わることができません。つまり、借主側が住みたいと思う限りは契約を終了することができないというわけです。(「どうしてもその家に住まなくてはならない」などの正当な理由があれば別です)

これでは、「海外赴任のあいだだけ借家にして帰国したら自分の家に戻る」ということができなくなる可能性があります。借主を保護するために、貸主側の事情で自由に解約ができないようになっているんですね。

「一時的に借家にしたい」という人におすすめなのが、「定期借家契約」です。定期借家契約とは、その名の通り期間に定めのある契約です。普通借家契約の場合も契約期間は2年などと定められていますが、借主が希望すれば更新もできます。定期借家契約であれば、はじめに2年と期間を定めてしまえば、更新ナシで、契約を終了することができるのです。(双方の合意があれば、再契約は可能です)

また、契約期間も自由に定めることができ、「半年間だけ」というような1年未満の契約もできるという特徴があります。

ただし、以下の点には注意してください。

契約には書面が必要

普通借家契約というのは口頭でも成立しますが、定期借家契約の場合は書面による契約が必要です。また、「更新は無く、契約期間が来れば契約が終了する」という定期借家の内容について説明する書面も別途交付しなければなりません。

借主からの中途解約もできる

床面積200平米未満の居住用物件で、やむを得ない事情がある場合は借主からの中途解約ができるとされています。また、それ以外の場合でも中途解約に関する特約を定めていれば、それに従うことになります。「5年間人に貸しておきたい」と思っていても、途中で解約されてしまうとまた新たに入居者を探す必要が出てきます。

普通借家に比べると賃料は低め

借主からすれば、いくらその物件を気に入ったとしても、長く住み続けることはできません。そのため、普通借家に比べると、定期借家の場合は賃料が安めに設定されていることが多いです。もちろん、賃料は自分で決めることができますが、借主を見つけるためにはやむを得ず賃料を下げなくてはならないこともあります。

定期借家契約を活用すれば、「一時的に人に貸したい」という人でも空き家を賃貸として貸し出すことが可能になります。

実家(親の家)にもう誰も住まなくなってしまった場合にも、定期借家は有効です。親が亡くなったり介護施設に入居したりして住む人がいなくなれば、その家をどうするのか判断を迫られます。自分が住む予定もない場合は売却することになりますが、「自分も定年後はここに住みたい」と思うのであれば一時的に賃貸にしておいて、他人に使ってもらうと良いでしょう。また、「自分が住むことも無さそうだけど、かと言ってすぐに売却してしまうのも心苦しい」という場合も、とりあえずは定期借家として貸し出しておき、そのあいだに家をどうするのか決断されるといいと思います。

(参考:その他の家主業についての情報はこちら

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