No.63
不動産の広告に書かれている「取引態様」には3種類ある
住宅などの不動産を購入したいと思っておられる方に知っておいていただきたいことの一つに、「取引態様」があります。取引態様(とりひきたいよう)とは「その物件の取引をおこなうにあたっての不動産業者の位置づけ」のことだと言えます。
どういう立場で不動産業者が関わるのかによって、仲介手数料が発生するかどうかも変わってきますので、かならず把握しておきましょう。
取引態様には、3つの種類があります。一つひとつ、ご紹介しましょう。
仲介(媒介)
もっとも多いのがこのケースです。不動産を売りたい(or貸したい)人が不動産業者に依頼して、お客さんを探してもらう、という形態です。不動産業者は、不動産を売りたい(or貸したい)人と、不動産を買いたい(or借りたい)人を仲介します。
仲介するわけですから、当然「仲介手数料」がかかってきます。ただ、仲介手数料を支払うことによって契約の書類の準備なども不動産業者がおこなってくれますし、宅建業法に基づいた重要事項の説明などもおこなわれるため、双方にとっても安心感の大きい取引態様だと言えるでしょう。
売主・貸主
購入しようと思う不動産の広告に、取引態様が「売主」と書かれていた場合は、不動産業者自身がその物件の売主である、ということです。賃貸の場合は「貸主」となります。不動産業者が所有している物件を購入するということになりますね。この場合は不動産業者が「仲介」するのではなく直接売ることになりますから、仲介手数料は発生しません。
ただし、取引態様が「売主(or貸主)」となっていた場合は宅建業法の制限を受けません。重要事項の説明等の義務もありませんので、信頼できる不動産業者を選ぶ必要があります。
代理
「仲介」に似ていますが、これは「不動産業者が売主(or貸主)の代理」として契約をするというケースです。あまり見かけない取引態様ですが、まれにあります。代理の場合も仲介手数料がかかることもありますが、取り決めによってかからないこともあります。
簡単にまとめますと、「仲介」は物件数も豊富で安心感もあるが、仲介手数料がかかる。「売主」の場合は仲介手数料がかからないが、物件数は多くなく、信頼できる業者を選ばないと少し心配、というのが特徴です。
ちなみに、「仲介」にはさらに「一般仲介」や「専任仲介」といった種類があるのですが、これは売主・貸主側に関係することで、基本的には買主には関係しませんので、あまり気にしなくても良いでしょう。
取引態様によって一番大きく違うのは仲介手数料がかかるかどうかです。そのため宅建業法でも広告への表示が義務付けられていますので、不動産情報をチェックされるときにはかならず確認されてみてください。
(参考:不動産仲介(媒介契約)の種類)