No.118
権利書を紛失した時はどうすれば良い?
家の権利書は非常に重要な書類になります。ただ、その書類が紛失してしまったからといって、きちんとした手続きを踏めば問題ありませんので焦る必要はありません。ただ、権利書がないとデメリットもありますので、仮に紛失に気付いた時には迅速に対応しましょう。
権利書とは?
そもそも権利書とは、「不動産の所有者を記載した書類」のことをいいます。「謄本」という呼び方もしますが、権利書自体は平成16年に登記法の改正がされたからは全て電子化されました。そのため、登記法が改正されてから建築された不動産は、「謄本」や「権利書」といった紙の書類ではなく、「登記識別情報」という書類になっています。
権利書とは、あくまで所有者を記載した書類に過ぎないので、権利書を失くしたからといって不動産の権利がなくなるワケではありません。きちんと法務局に「登記」していれば所有権の証明はできます。
権利書を紛失した場合の対応
権利書を紛失した場合には、その不動産を売買するときに困ります。なぜなら、その不動産を売買して所有権移転登記(売主から買主に名義を変える)をするときに権利書が必要になるからです。そのため、権利書の代わりとなる「本人確認情報」という書類を作成する必要があります。
この本人確認情報とは、司法書士や弁護士が作成する書類で、第三者から見て「この不動産は〇〇という者の所有です」ということを証明する書類になっています。本人確認情報の書類は数枚の紙面で構成されており、以下のような項目があります。
- 不動産の種類(土地、木造一戸建て、集合住宅など)
- 個人情報(氏名、住所など)
- 不動産の名義人であることを確認した理由
この「不動産の名義人であることを確認した理由」というのを、司法書士や弁護士に証明してもらうのです。その証明とは、状況証拠や物的証拠(住民票や売買契約書など)を積み上げて法務局の登記官に対して証明します。
不動産会社は不動産の売却のプロです。しかし、プロの任せきりではなく売主の立場として口をだすところは出さないといけません。そのため、上記3点は最低限ヒアリングしておきましょう。状況によっては売主サイドから広告戦略に意見をしても全く問題ありません。
権利書自体は再発行しないので、紛失した場合には必ず本人確認書類の作成に入りましょう。方法としては司法書士の事務所に連絡を入れるのが一番楽な方法です。
また、この本人確認情報の作成は場合によっては1ヵ月程度の期間がかかります。この期間中には不動産の売買は出来ないので、売却を検討しているのであれば、尚更早めに作成準備をしておきましょう。
いかがでしたでしょうか。権利書は重要な書類ですが、普段は使うことがありません。そのため、紛失していること自体に気づかない事も多いです。不動産の売却を検討しはじめたころに、必ず権利書の有無を確認しておきましょう。
(参考:不動産売却のための10のキソ知識)
(参考:不動産の売却をお考えの方)