No.196
アパート経営で知っておくべき電力自由化とは?
テレビなどで話題になっていましたが、2016年に電力自由化がスタートしました。ただ、各家庭の電力会社を電力自由化によって変更した人は意外と少ないのではないでしょうか?
アパート経営者も同じく、特に気にしていない人もいると思います。しかし、もしかしたら電力自由化を活用することで節電につながり、収支改善になるかもしれないので、アパート経営者は電力自由化によるメリットを知っておきましょう。
電力自由化とは?
電力自由化とは、「自分が住んでいる地域の電力会社から電力を供給してもらう」という従来の方法から、「住んでいる地域に関係なく自由に電力会社を選べる」というルールに変わったことです。このルール変更によって、自分のライフスタイルに合った電力会社を選択できるようになりました。
電力会社によってプランが異なるため、消費者によってA社が良い人もいれば、B社の方がお得な人もいます。そのため、アパート経営者も電力会社をきちんと選別することで節電につながり、ランニングコストの低下につながることがあるのです。
アパート経営と電力自由化
さて、そんな電力自由化に関して、アパート経営者はまず賃借人と結んでいる電気の契約形態を確認しましょう。契約形態は、「低圧電力」と「高圧一括受電」の2つがあり、仮に「低圧電力」の場合にはアパート経営者は電力会社の選択には関与できません。
というのも、低圧電力タイプは一戸建てのように、アパートの賃借人が個別に電力会社と契約できるからです。そのため、アパート一棟で契約するというスケールメリットを活かして、電気代を削減するということができないということです。
一方、高圧一括受電タイプは、アパート経営者がアパート一棟で一括契約をして、設備を利用して低圧電流に変換して各住戸に電気を供給するという仕組みになります。この場合には、スケールメリットを活かして電気代を抑えることができるので、たとえば共用部の電気代を抑えられます。
また、結果的に各住戸の電気料金を抑えることができれば、入居者の退去リスクの低下にもつながるのです。注意点としては、仮に低圧電力タイプから高圧一括受電タイプに切り替えを考えているときは、入居者にきちんと説明しなければいけません。
いくら「高圧一括受電タイプの方が電気代は安くなる」と説明しても、変化を嫌がる入居者は多いです。しかし、いくらアパートのオーナーだからといって強引に変更すればトラブルになりかねません。そのため、仮に切り替えを検討している場合には、書面での同意などを取っておくことがベストです。
まとめ
このように、電力自由化によって、特に共用部の電気代が節約できる点は大きいです。アパートが大規模であるほど電気代はかかり、年間で計算すると意外と電気代はかかっています。
電力自由化は単に契約を変更するだけなので、少ない労力でメリットが大きいと言えるでしょう。とはいえ、本当に節電になるかは、いくつかシミュレーションして検証してみる必要はあります。
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