
No.215
病死した場合はどうする?マンション売却で知っておくべき告知義務
「告知義務」という言葉を聞いたことがあっても、病死したときの告知義務は意外と知られていません。病死というのは特別なことではなく、誰しもに起きることです。だからこそ、そんなときのために病死したときのマンション売却について知っておきましょう。
病死も告知義務が発生する場合もある
そもそも告知義務とは、その物件に心理的瑕疵がある場合、「その事実を売主が買主に伝える義務」のことです。一般的には、「自殺があった部屋」や「殺人があった部屋」が告知義務ありの部屋という認識ですが、実は病死の場合も告知義務が発生する場合もあります。
そもそも告知義務に該当するかどうかの境界線である「心理的瑕疵があるか?」について解説します。心理的瑕疵に明確な定義はなく、買主が「嫌に感じるかどうか?」が焦点になります。
そのため、たとえば自殺があった部屋でもそれが30年以上前であれば気にしない人もいるかもしれません。しかし、それが40年前であろうが気にする人はいます。このように、人によって感じ方が異なるため心理的瑕疵は定義付けられておらず、告知義務があるかどうかはケースバイケースなのです。
告知義務ありの病死とは?
前項のように、たとえ病死だったとしても告知義務があるかどうかはケースバイケースといえます。以下2つのケースで見ていきましょう。
○15年前の自然死に近い病死
たとえば、老夫婦が住んでおり、妻が自宅療養をしていて自然死に近い形で病死したとします。その15年後に、一人残った夫は息子夫婦と住むためにマンションを売却するとしてたら、この物件は告知義務ありの物件でしょうか?
「ない」とは言い切れませんが、このようなケースであれば心理的瑕疵を感じる人は少ないでしょう。そのため、告知義務なしと判断する人が多いと思われます。
○孤独死で放置された病死
一方、病死を患っていた老人が一人で住んでおり、残念ながら家で一人亡くなったとします。身寄りがなかったため、亡くなったことに気付かず夏場を挟み半年放置されたとしましょう。そして、近所の人が異臭を感じたことで、最終的には警察が来て亡くなっていることが発覚したときはどうでしょうか?
このケースは告知義務「あり」というケースでしょう。腐乱死体の異臭などが部屋に残っている可能性もありますし、広く近所に「孤独死かつ腐乱死体での発見」という事実が知られています。
つまり、その家に住む人は心理的瑕疵を負うものと考えらえるので、このケースでは告知しないと問題になると思われます。
このように、病死でも状況によって心理的瑕疵を感じるか否かが異なり、それによって告知義務があるかどうかも変わるのです。
まとめ
まずは、「告知義務がある物件=自殺や殺人があった部屋」ではなく、「告知義務がある物件=心理的瑕疵がある部屋」という点を認識しましょう。
そして、もし病死した部屋を売る場合には、査定時に不動産会社に相談することをおすすめします。買主とのトラブルリスクを考えると、その返答の信頼性も不動産会社を選ぶ基準となります。
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