No.26
「耐震」「制震」「免震」の違い
日本は、世界の中でも特に地震が多い国です。家を建てるときにも、「地震に強い家がいい」と思うのは当然のことですよね。新築以外でも、中古住宅を購入する場合であっても「耐震基準を満たしているのか?」ということを気にする方が多いでしょう。
不動産の地震への対策としては、「耐震」「制震」「免震」という3つの種類があります。それぞれの特徴を知って、不動産購入時の参考にしていただければと思います。
頑丈な家を作る「耐震」
耐震は、「地震が来ても壊れにくい家」を作ること、とも言えます。壁に補強をすることによって家を壊れにくくするのが耐震工事です。
躯体で地震の揺れを吸収する「制震」
壁や柱、梁といった躯体に制震装置を入れることによって、地震の揺れを20~50%吸収することができます。特に、高層ビルは高層階に行くほど地震の揺れは大きくなりますが、制震の場合は高層階の揺れを和らげることができます。
建物を地面と絶縁する「免震」
免震は、建物の基礎の上に免震装置を設置して、その上に建物を建てることになります。そうすることによって80~90%もの揺れを吸収できます。
耐震よりも、制震・免震
耐震だけでは、揺れ自体を和らげるわけではないので家具の転倒など、二次災害を防ぐことができません。揺れを軽減して二次災害も防ぐ、というならやはり免震が一番効果が高いです。免震の建物は地面からの揺れが直接伝わることがなく、かなり大きな地震でも耐えることができます。
ただ、免震工事はどの家でも対応できるというわけではありません。免震工事は、制震工事と比べても何倍ものコストがかかります。さらに、地盤によっては免震工事ができないことも。コストや地盤の問題で免震にできない場合には、制震工事を選ぶのが良いでしょう。制震は比較的コストも低く、耐震だけより地震の際の揺れが軽減できるため、特にマンションなど高い建物の場合はぜひ導入しておいた方がいいと言えます。
もちろん、大きな地震に対してもっとも強いのは免震構造の建物です。地盤の関係でできない場合は仕方ありませんが、コストだけを理由に避けるのではなく、安全のために少しコストをかけてでも免震構造にしておくことで将来への備えになるのではないでしょうか?
(参考:購入前の耐震チェックポイント)
(参考:耐震改修の補助金について)