No.84
サラリーマン大家を目指そう 2/3
1.サラリーマン大家と「本業」
前記事にて、サラリーマン大家のメリットについてお伝えしました。同じように、デメリットも存在します。最たるものはやはり、「本業」との兼ね合いです。 まず、サラリーマン大家が「副業」にあたるのかについて考えてみます。
2.サラリーマン大家は「副業」?
サラリーマン大家は会社員の方にとって、「本業以外に収入を得ている」という意味では副業にあたります。ただ、多くの会社では副業を就業規則で禁止していても、賃貸経営は例外としているケースが多いようです。
賃貸物件は親世代から相続する場合があり、会社員だからと禁止するのはとても難しい。また、不動産を活用した相続は国も「さまざまな課税特例」にて支援しています。仮に、本業の事業内容に悪影響があるからと売却を促したとしても、多額のお金がかかります。
現実には、賃貸経営を副業とはせず、「黙認」としている企業が多いようです。ただ。今回の記事を書くにあたり取材してみると、サラリーマン大家のなかには素性を明らかにせず、なかには仮名を使って活動している方もいらっしゃいます。それは何故でしょうか。
3.対応の難しい「本業がなくても…」という感情
サラリーマン大家をしながら、ある小売会社で勤務するAさん。サラリーマン大家として物件を所有する一方、講演や出版でその名は広く知れ渡っています。ただ、活動で使用している氏名は「仮名」で、FacebookやTwitterなどのSNSにも手を出さないとのこと。理由は、「本業で関わる仲間の感情」です。
たとえば会社で何か問題があると、「Aはほかに収入があるからいいよな」と言われてしまうとのこと。本人に悪意があってサラリーマン大家をしているわけではないだけに、こういう「感情」はまさに厄介です。たとえ会社の就業規則はまったく問題がなくても、対応には難しさと慎重さを感じるもの。
FacebookなどSNSでサラリーマン大家としてブランディングするのも注意が必要です。友達関係や、本業を示唆するような投稿などから、期せず「リアル属性」と繋がることもあります。本業ではサラリーマン大家の話をしない、SNSでは本業の存在を出さないなどの工夫が必要でしょう。
そこまでしてサラリーマン大家をするのはどうか?という指摘もありますが、資産管理としてとても魅力的であるのも事実。次回は、「この先どうなっていくのか」について考えてみましょう。
(参考:家主業をはじめよう)