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8章 賃貸物件の売却ポイント|不動産売却のための10のキソ知識

不動産売却のための10のキソ知識

8章賃貸物件の売却ポイント

賃貸マンションは、「投資物件」や「収益物件」と呼ばれています。 一般の住居用マンション情報を集めている範囲ではあまり見かけませんが、賃貸マンションを売却する流れとしては住居用のマンションと全く同じです。査定を行い、仲介・買取を選択します。ただ、住居用マンションとの違いは、「どれくらいの収益を上げることができる物件か」が、重要な査定要素であることです。

多くの賃貸利用者を集めるための外観や立地条件、周辺環境などが重要となってきます。買い主にとってまず知りたい情報は、利回りと今後メンテナンスにかかる費用です。

利回り

利回りは、物件価格と家賃収入と支出のバランスの関係とも言い換えることができます。収入の大部分は家賃収入であり、家賃と空室率によって左右されます。

そしてその家賃収入を確保するために、建物維持管理費・広告宣伝費・税金など必要な支出を行います。その差額の年間収益部分を物件価格で割ったものを実質利回りと呼び、物件の収益率を測る指標となります。

また年間家賃収入を物件価格で割っただけの利回りを表面利回りと呼び、広告掲載時などに参考指標として利用されます。

メンテナンス費用

もう一つの物件情報である、今後のメンテナンス費用というのは、建物の老朽化を防ぎ資産価値を保つための費用です。大規模なものであれば、外壁塗装、給排水管のやりかえ等です。一般的には、エレベーター・消防設備・配水管のメンテナンスなどがあるでしょう。

それらに対して今後どの程度費用が必要なのかは、過去のメンテナンス状況によって推測できます。そのためには過去の修繕記録が大切になります。それは躯体の状況、メンテナンスした場所、維持管理にかかった費用がわかるものです。また、不測の修理・修繕は、利回りに大きく影響しますので、瑕疵(隠れた欠陥)についても買い主は非常に慎重に調査を行います。

収益物件購入は、不動産投資ですから、売り主は伝えるべき情報を買い主がオープンにする必要があります。また、逆にきちんとしたメンテナンスの継続とオープンな情報提供の姿勢が、買い主の安心感となり資産の価値も高めます。

買い主は、空室率の推移、入居者募集のため不動産管理会社へ払う費用などを検討し、その利回りが低い場合には、当然売却価格は低く評価し、逆に利回りが良い場合には高く評価するでしょう。

物件の価格評価だけで言うと、「築年数が浅く、メンテナンス費がそれほどかからず、空室率も低い。」という物件が高い評価になります。安定資産は利回りが低いのが投資の原則ですから物件は割高になります。逆に安い物件は、その物件に対して現状の利回りが良い場合が多く(価格が安い)という事があり、どこまでリスクをとるかは、買う側の考え方次第です。

神戸市内・明石市内で収益物件の売買を検討されている方には、安い物件でも腕次第で利回りを上げる事が出来ると考える買い手もおり、それは市場原理であり、人の考え方が千差万別で面白いところです。

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