No.58
タイニーハウスに学ぶ、省スペースでの暮らし方
タイニーハウスとは
みなさんは、「タイニーハウス」という言葉をご存じでしょうか?その名の通り「小さい家」のことを指しますが、アメリカではちょっとしたブームになっており、日本でもタイニーハウスを建てるワークショップが開催されるなど、一部の人に広がりを見せています。
トレーラーに家を建ててしまう、移動可能な「トレーラーハウス」や、ハックルベリーが住んでいたような「ツリーハウス」も、タイニーハウスの一種だと言えます。
小さければ、本当に6畳分ぐらいの広さしかないような規模の小さな家。実際にタイニーハウスにチャレンジするのはハードルが高いですが、タイニーハウスでの暮らし方というのは、限られた土地の中で家を建てなければならない日本の住宅事情にとって、ヒントがたくさん隠れているのです。
「用途に合わせた部屋」という概念
タイニーハウスの中には、本当に一部屋しかない家も存在します。その一部屋の中にキッチンがあり、ベッドがあり、というちょうど「ワンルームマンション」のような作りになっています。「寝室」、「リビング」、「ダイニング」といったそれぞれの用途に合わせた部屋を作るのではなく、兼用できる部屋があれば、それだけ省スペースで暮らせることになります。
たとえば、リビングの一角に子供の勉強机などを置き、「子供部屋」と兼用する。子供が成長してきたらパーテーションを使って簡素な区切りをしたり、もしくはリフォームで小さい子供部屋を作るということもできます。子供が小さいうちは目の届く範囲に子供がいるので安心感がありますし、子供部屋が無い分、リビングを広くとることもできます。
次に、高さを利用すること。昔の日本には1階しかない平屋が多かったのですが、平屋だとスペースが足りないので、2階建て・3階建ての家が増えました。面積の狭い土地でも高さで広さをカバーすることができるわけです。タイニーハウスでは、ロフトを作ってそこをベッドとして使用したり、屋根裏に収納を作ったりして、狭いスペースでも十分な広さを確保しています。一般的な住宅でも、土地自体が狭くてもデッドスペースはたくさんあるもの。そこを、収納として使用したり子供のための部屋として使ったりして、とことん有効活用していくことで、土地が狭いという問題はクリアできます。
持ち物を厳選する
そして、タイニーハウスでの暮らしに欠かせないのが、「持ち物を厳選する」という行為です。一般的な日本の家のようにたくさんモノがあると、収納だけで多くのスペースを使わなくてはなりません。タイニーハウスに住むためには自分の持ち物の大半を処分しなければなりませんが、そうすることで、かえって自分にとって必要なものが何なのかが分かり、不要なモノにお金をかけることがなくなるというメリットもあるのだそうです。狭い土地でも、すっきりとゆとりのある空間に住みたいのであれば、まずは自分の持ち物を減らしていく、という発想の転換も必要なのではないでしょうか。
タイニーハウスで暮らすことは難しくても、参考になるところはたくさんあります。実際の家の建て方などを見てみても、自分の住まいに対する考え方を変えるきっかけになると思いますので、タイニーハウスについての情報を集めて眺めてみるのもおすすめですよ。