No.108
不動産会社に騙されるな!囲い込みって何?
マンションや一戸建てを売却する時には、不動産会社に仲介を依頼します。その時に注意しなければいけないのが、「物件の囲い込み」です。なぜなら、物件の囲い込みをされてしまうと、自分の不動産の売却が遅れてしまうからです。 今回は、そんな「囲い込み」についてのお話です。
1.不動産会社について知ろう
物件の囲い込みの話をする前に、まずは不動産会社について詳しく説明します。
1-1不動産会社の利益とは?
物件を仲介する事で収益を上げている不動産会社は、物件の仲介が成立した時に発生する「手数料」が不動産会社の利益になります。そのため、仲介会社が利益を上げるためには、売主と買主のどちらからも手数料を貰う事がベストです。
1-2両手取引と片手取引
不動産会社の取引形態として「両手取引」と「片手取引」という形態があります。両手取引とは、売主からも買主からも仲介手数を貰う事ができる取引です。一方、片手取引とは、売主・買主の一方からしか仲介手数料を貰えない取引になります。
2.囲い込みとは?
物件の囲い込みとは、前項で言ったような「両手取引」をすることを目的に、自社で物件を囲い込むことを言います。以下に例を挙げます。
例えばX社がAさんからマンションの売却を依頼されたとします。X社はチラシを配布したりネットに物件情報を掲載したりして集客をします。しかし、そのチラシやインターネットに掲載されている情報を見て、Z社が問い合わせをしてきたとします。
「今X社さんが仲介を担当している(Aさんの)マンションに紹介できそうなFさんという方がいます。まだ紹介は出来ますか?」このような問い合わせがZ社からX社に入りました。その時、このFさんをZ社経由で案内されて成約をしてしまうと、X社はAさんからしか仲介手数料を貰えない、いわゆる「片手取引」になってしまいます。
それを避けるために、X社はまだ検討者もいないのに「今商談中なので案内できません」と物件を囲いこんでしまう場合があるのです。この物件の囲い込みは、売主であるAさんには何のメリットもありませんので、Aさんからしたら避けなくてはいけません。
囲い込みに対して直接的な防止策は難しいですが、「囲い込みをしたら即契約解除する旨を伝える」のは効果的です。このように伝えれば、そもそも囲い込みという行為を知っていると不動産会社に伝える事が出来るからです。
3.まとめ
囲い込みを防ぐ一番の方法は、「囲い込みをしないような不動産会社を見つける事」です。査定の時に査定額の根拠が明確で、対応も丁寧且つ迅速であれば信頼のおける不動産会社です。囲い込みを防ぐために、囲い込みを知っている事は伝えつつも、そもそも査定時に信頼できる不動産会社を見つけられようにしておきましょう。
(参考:不動産媒介契約(不動産売却編))