No.110
マンションの資産価値について~築年数による下落率の違い~
マンションの資産価値は築年数によって異なります。しかし、統計を取ってみるとある特定の築年数を過ぎるとガクッとさがり、特定の築年数を過ぎると変動幅は小さくなることが分かります。その点を加味した上でマンションの売却を行うと高くマンションを売却する事が出来ます。
1.マンションの下落率と単価の関係性
結論から言うと、築10年を過ぎるとマンションの単価はガクッと下がり、築20年を過ぎてからの下落率は緩やかになります。その推移はおよそ下記のようなものです。
築年数0~5年:㎡単価54.19万円→50.93万円(約6.1%下落)
築年数6~10年:㎡単価50.93万円→43.44万円(約14.8%下落)
築年数11~15年:㎡単価43.44万円→29.86万円(約31.3%下落)
築年数16~20年:㎡単価29.86万円→26.81万円(約10.3%下落)
このように、築年数によってマンション価格の下落率に大きな違いがある事が分かると思います。
2.築年数による下落率はなぜ生まれるのか
築年数による下落率は、単純な「印象」だけではありません。確かに、築10年よりは築12年の方が印象は悪くなりますが、それでも上記のように30%以上の下落が生じる程の悪い印象でしょうか。金額に置き換えると築10年70㎡3,040万円(㎡単価43.4万円)と築15年70㎡2,090万円(㎡単価29.86万円)です。
「印象」だけで、築年数が5年違うだけでマンション価格に1,000万円以上の差が出てきません。この結果が起きるのは、印象以外にも「検索での集客」が関わっているからです。
マンションを探している人はインターネットで検索するなり、不動産会社に問い合わせるなりして、自分の理想の物件を探します。その時に駅距離や広さなどの色々な項目の中に「築年数」という項目は必ず入っています。
その築年数は大抵「0~5年以内」「10年以内」など、5年ごとに区切られているケースが多いです。そこで、多くの人が「築10年以内」を希望しているので、ここまで価格に開きがあるのです。築10年以内で選択されてしまえば築11年の物件は該当しません。
つまり、築10年に比べると圧倒的に集客が少なくなってしまうのです。集客が少なくなってしまうという事は検討者が少なくなるため、値引き交渉に応じざるを得なくなったり、そもそも売り出し価格を高く設定できなかったりします。そのため、築10年を境に価格が極端に落ちてしまうのです。
逆に、築20年以降は、検討者の印象が良くも悪くも変わらないので、緩やかな下落率になっています。
3.まとめ
このように築年数は節目を意識することが重要です。「そろそろ売ろうかな」と思っているマンションが築9年だったり築14年だったり「節目」に近い年数であった場合には、早めに売却を進めた方が高く売れる可能性が上がります。
(参考:マンション購入の決め手!?管理方式の違い)
(参考:近畿エリアの30万件の不動産取引価格情報一覧)
(関連コラム:築40年のマンションは、20年後どうなる?)