No.48
築40年のマンションは、20年後どうなる?
中古マンションを購入することに対して抵抗を持っている方は、まだまだ多いようです。中古の一軒家とは違い、中古マンションだと自分の意思だけでは建て替えもできませんし、「築40年のマンションなんて、すでに寿命が過ぎてるのではないか」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
では、現在築40年のマンションは、20年後にはどうなっていると思いますか?
住宅の平均寿命は伸びている
今から、40年前のことを考えてみましょう。その当時、築40年のマンションといったらどのようなものだったと思われますか?40年前と言えば高度経済成長が落ち着いたころ。そのさらに40年前に建てられた建物だと、高度経済成長を迎える前のものになりますから、そもそも、マンション自体がほとんど無かったと言えます。高度経済成長前の建物は技術的にもまだ未熟な部分が多く、当時の「古いマンション」となるととても住めるものではなかったはずです。
では、現在の築40年のマンションはどうでしょうか。高度経済成長が終わったあとに建てられたマンションですから、技術的にも現在と大幅に違うということは少ないです。
築40年の物件でもまだまだ現役で使われているマンションはたくさんありますよね。建築術や建築資材の進歩により、住宅の寿命は延びています。早稲田大学の小松幸夫教授らの研究によると、RC造共同住宅の寿命は、以下のようになっています。
1998年 43年
2005年 46年
2011年 60年
中古マンションに対する抵抗もなくなってきている
最近は、築30年を超えるマンションに住む人も増えてきています。もともと住んでいる人だけでなく、新たに築30年~40年のマンションを借りたり、購入したりする人も多いんですよ。
一つは、先に述べました通り住宅の平均寿命自体が伸びてきているということが理由で、築40年のマンションであっても、「今にもつぶれそうな外観」であったり、「とても住める気がしない内装」であったりと、「いかにも古い」雰囲気の物件自体が減っているからでもあります。
そしてもう一つ、近年は建築技術等の進歩もありますが、リフォーム・リノベーションの技術も進歩しているという理由があります。中古マンションであっても、設備を入れ替えるだけで快適な生活ができるようになる物件もありますし、間取りも大胆に変更してしまうようなリノベーションを施して、新築と比べても遜色ないレベルにまで引き上げることもできます。
管理と耐震性をクリアすべき
築40年の物件でも、まだまだ住めるものはたくさんあります。しかし、気を付けなくてはならないのはその建物の管理状態と、耐震性です。
まず、耐震基準は1981年に大幅に改正されており、1981年以降に建てられた物件であれば大地震が来ても倒壊する可能性は低いです。しかし、1981年よりも前に建てられた物件は現在の耐震基準を満たしていないものもあり、購入するのであれば耐震リフォームが必要になることもあります。
そして、物件の良し悪しは、管理状態によって決まると言っても過言ではありません。不摂生な生活を長年続けてきた人と、健康を意識して規則正しい生活を送ってきた人とでは、どちらが健康でしょう? それと同じです。
適正に管理されている物件は寿命も長くなりますが、管理がずさんな物件はやがて住民もいなくなり、スラム化し、売却したくてもできない、という事態に陥ってしまいます。
今、築40年ほど経っているような物件でも、耐震性があり、管理が行き届いている物件であれば20年後でもまだ十分住める状態を維持していると思われます。中古マンションを購入される際には、ぜひ参考にされてみてください。
(参考:団地の魅力)
(参考:古家付き土地の購入・売却)