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意外と知らない。アパート経営で知っておくべき地震保険とは?
住宅購入者やアパート経営者が意外と知らない知識として「地震保険」が挙げられます。火災保険はローンを組むと必須加入ですし、支払う保険料も安価なので、ほぼ100%の人が加入します。
一方、地震保険の加入者は火災保険の加入者ほど多くはありませんが、アパート経営者なら資産を守るために仕組みを知っておくべきです。今回は、そんな地震保険について解説していきます。
アパートの保険
アパートの保険は、大きく分けて火災保険と地震保険に分かれます。火災保険は、住戸ごとに加入して、賃借人から火災保険料を初期費用としてもらうのが一般的です。一方、地震保険は火災保険よりも高額になるので、住戸ごとに加入するかはアパートの経営者次第です。
また、エントランスや外部廊下などの共用部は、アパート経営者が火災保険・地震保険に加入するかどうかの判断をするという流れです。
地震保険料について
そんな地震保険に加入するかは、いざ地震が起きたときに保険会社から支払われる「地震保険料」を知っておきましょう。地震保険料は、以下のように建物の破損具合によって支払われる金額が異なります。
・全損:地震保険料は100%支払われる
・半損:地震保険料は30%~60%支払われる
・一部損:地震保険料は5%支払われる
全損か半損か、一部損かの判断は、保険会社によって異なります。たとえば、「主要構造部分が50%破損していたら全損」など、その建物の破損範囲で決まることが多いです。
地震保険料
つづいて、実際にアパート経営者が支払う地震保険料についてです。地震保険は、民間の損害保険会社と国が共同で運営しているので、実はどの会社も地震保険料は同じです。ただし、住宅の規模やエリアによって保険料は変動します。
一般的な地震保険料の目安は、木造アパートであれば、1住戸あたり年間1~3万円ほどです。目安の地震保険料(支払う保険料)は、保険金額(補填される保険料)1,000万円当たり以下の通りです。
・木造建築物:11,400円~36,300円
・非木造建築物:6,800円~22,500円
エリアごとに地震保険料が異なる理由は、そのエリアによって浸水や地震による被害予測が異なるからです。そのため、ハザードマップで浸水リスクや液状化リスク、建物の揺れやすさリスクが大きいなど、災害リスクの大きいエリアは上記の地震保険料は高くなります。
地震保険に加入するかどうかは、一度見積もりを出して決めましょう。リスクが高いエリアほど支払うべき保険料も高いですが、それだけ災害で被る被害も大きいということです。
このように、地震保険は建物の損害度合いによって、支払われる保険料が異なります。また、アパート経営者が支払う保険料も、エリアや構造によって異なるので、まずは見積もりを取って判断しましょう。
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