No.142
空き家に保険を掛けるべき理由
空き家とはいえ、火災保険へ加入しておいた方が良いです。なぜなら、空き家が原因で他人に迷惑がかかったときに、火災保険に加入していないと思わぬ賠償を請求されるリスクがあるからです。今回は、そんな空き家と保険に関して詳しく解説します。
1.空き家は災害リスクがある
なぜ、空き家に保険を掛けるべきかというと、空き家には災害リスクがあるからです。今、日本で社会問題になっている「空き家問題」ですが、一番大きなリスクが災害リスクと言われています。災害リスクとは、具体的には以下のような災害のことです。
・建物の倒壊
・建物の損傷による崩落など
空き家は相続物件も多いため、築年数が古い物件も多いです。そのため、地震や台風などの自然災害による建物倒壊リスクがあります。特に、旧耐震といわれている建物には注意が必要です。
旧耐震とは、1981年5月末日より前に建築確認を申請した物件のことであり、古い建築基準法によって設計されている物件です。旧耐震物件は耐震基準が緩いので、倒壊のリスクは上がってしまいます。
東京カンテイのデータ※1によると、旧耐震物件は2011年時点で全国に36,662棟、1,469,423戸もあります。また、倒壊だけでなく、建物が古いことで損傷や崩落などのリスクも上がります。建物が損傷するだけなら良いですが、それが原因で周辺住民に被害が及ぶと大変なことになります。
※1東京カンテイ
http://www.fukukan.net/paper/1112/topic_tokyo.html
2.火災保険は保障範囲が広い
火災保険は「住まいの総合保険」といわれるくらい保障される範囲が広いです。具体的には、以下のような項目に対しても保障対象となります。
・水漏れによる被害
・外部からの飛来物や落下物で生じた損害
・盗難などで破壊された建具などの保障
・水災や風災、雪災
・個人賠償責任への保障
上記のように、火災だけではなく、あらゆる被害に対して保障するのが火災保険になります。特に、個人賠償責任に関しては、前項で解説した「建物の損傷による崩落」などのリスクヘッジになります。
個人賠償責任とは、住宅が起因となる事故や、他人や自分がけがを負ったときに保障してくれるという内容です。そのため、たとえば「風災によって飛ばされた建物の一部で隣人がケガをした」なども保障してくれます。
仮に、隣人をケガさせてしまい火災保険に加入していなければ、莫大な損害金が発生するケースもあるので、空き家とはいえ火災保険に加入することをおススメします。ただ、保険会社によっては空き家では火災保険に加入できないケースもあるので、複数社に相談して比較してみると良いでしょう。
3.まとめ
このように、空き家には火災保険を掛けておきましょう。火災保険は「火災」だけを保障するワケではないので、保険に加入しておけば安心感が違います。プランや補償内容を良く吟味して、保険会社や保障範囲を選択しましょう。
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