No.154
外国人が住宅ローンを組む方法を徹底解説
外国人が日本で家を買うために住宅ローンを組むこともあります。しかし、日本人が住宅ローン融資を受ける場合と外国人が受ける場合には、審査基準などが異なります。もし、外国人で住宅ローンを検討している方は、その点を良く理解しておきましょう。
1.外国人は永住権がないと厳しい
結論から言うと、日本国籍のない外国人が日本で住宅ローンを組むことは、永住権がないとかなり厳しいです。日本では、外国人が日本に入国して、一定期間滞在する場合は「パスポート」と「ビザ」が必要です。ビザは有効期限があるので、随時更新手続きも必要になります。
1-1永住権とは?
永住権を取得することができれば、永久に日本に居住することが認められるため、ビザの更新も不要です。また、「就労の制限」などもなくなるため、永住権を取得していれば日本人とほぼ同じように日本で暮らすことができます。
一方、永住権がない場合には、いつ帰国するか分かりません。また、会社を退職したときには「就労制限」があるので、次の勤務先がスムーズに見つかるとは限りません。
そのため、金融機関からすると、永住権を持っていない外国人に融資をするのは「リスクが高い」と判断され、住宅ローン審査が非常に厳しくなります。
1-2永住権の取得は難しい
また、永住権はそう簡単に取得できるものではありません。その外国人が「日本に永住することで利益をもたらすか?」という観点から審査するため、たとえば納税義務を怠っているなどであれば、永住権取得は困難でしょう。詳細は法務省ホームページで確認ください。
2.永住権がない場合の借り入れ
仮に、永住権がない場合にどうしても住宅ローンを借り入れたい場合には、母国に本店がある金融機関を利用するのが良いでしょう。ただ、その選択にはリスクがある点も覚えておきましょう。
2-1母国に本店がある金融機関の利用
母国に本店がある金融機関とは、日本人で言うと「台湾で三菱東京UFJの台湾支店」を利用して住宅ローンを組むようなイメージです。
母国の金融機関であれば、借入者の過去の延滞履歴も追えます。また、仮にローンを滞納して母国に逃げてしまっても追跡しやすいです。そのため、日本の金融機関よりは、はるかに住宅ローン審査には通りやすくなります。
2-2プロパーのリスク
ただ、一点気を付ける点は、そのような外資系金融機関は「プロパー」扱いになる点です。プロパー扱いとは、不動産会社が提携していない金融機関を借入者が勝手に引っ張ってきたということになります。
そのため、「ローンの審査が非承認の場合には、手付金返還の白紙解約になる」というローン特約が使えません。つまり、ローン非承認での契約解除は、手付金が没収されるということです。仮に、外資系のプロパーを利用する場合は、確実に承認が下りると判明したときのみ、売買契約を結びましょう。
3.まとめ
このように、外国人が日本で住宅ローンを組む場合は、基本は永住権がないと厳しいと認識しておきましょう。仮に、「日本に支店がある母国の金融機関」を利用する場合は、プロパー扱いになる点を頭に入れておくべきです。
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