No.151
リノベーションでできないことは何?
リノベーションで最も大きな工事は「間取り変更」です。この「間取り変更」に伴い覚えておきたいのが、壁と水まわりの移動です。壁と水まわりの移動は制限があり、自由に変更できるワケではありません。今回は、リノベーションで重要な間取り変更で「できないこと」を解説します。
1.壁の移動
まず、壁には「耐力壁」と「間仕切壁」の2種類があります。結論から言うと、耐力壁は移動できず、間仕切壁は移動可能な壁です。耐力壁とは、マンションのコンクリート壁に代表される「構造上必要な壁」になります。
つまり、耐力壁の耐久性によって建物を支えているので、その壁を移動したり取り壊したりすることは出来ないということです。一般的には、隣戸との境である「戸境壁」や、バルコニーや道路(外)と接している外壁が耐力壁になります。
一方、部屋の中の居室を区切っている間仕切壁は、ほぼ全て移動できる壁です。構造も、軽鉄とボードでできているので、取り壊すのもコンクリート壁よりは格段に楽です。この2つの壁を見分けるには、図面集を見ることです。
多くの不動産会社は、図面集でグレーの壁は耐力壁、白抜きの壁は間仕切り壁にしています。この壁の種類をチェックしてからリノベーション後の部屋をイメージしましょう。
2.水まわりの移動
また、耐力壁と同じように、水まわりの移動も自由にはできません。なぜなら、水まわりは「排水」の関係で、床下に勾配(高低差)をつけなくてはいけないからです。仮に、トイレやバスルームなどの排水を流す床下に勾配がなければ、排水は下水管へと流れていきません。
ただ、たとえばリノベーションすることで、水まわりの場所と排水設備の位置が遠くなるとします。その場合は勾配が緩やかになりやすいので、排水が床下に留まり、下水管へ流れていかないというリスクがあるのです。それでは、水まわりの設備として成り立ちません。
このように、水まわりの移動に関しては、設計事務所やリノベーション業者と打ち合わせない限り、素人では判断できません。そのため、部屋のリノベーションを考えるときに、水まわりの位置を大きく変更する場合は注意しましょう。基本的には、水まわりは動かさない前提でリノベーション内容を考えた方が無難です。
3.まとめ
このように、リノベーションは「壁」と「水まわり」が重要なポイントです。クロスやフローリングの変更は比較的自由に行えますが、壁と水まわりのリノベーションには制限が大きいです。まずは、リノベーション業者に相談して、「できること」と「できないこと」を理解しておきましょう。
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