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【不動産コラム】民泊の届け出が700件?民泊運営が厳しいたった1つの理由

192 民泊の届け出が700件?民泊運営が厳しいたった1つの理由

No.192

民泊の届け出が700件?民泊運営が厳しいたった1つの理由

先日「2018年5月11日時点で民泊の届け出が700件ほどしかない」という報道※がされました。2018年6月に法改正が適用されるということで、ここから大きな増加は見込めないと予想されます。つまり、民泊の届け出は非常に少ない状態ということです。今回は、その理由と今後の動向をどのように見るべきかを解説していきます。

※日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30644130X10C18A5EE8000/

民泊運営が厳しい理由

民泊の届け出が少ないのは、「民泊の運営日数制限が厳しい」という理由です。民泊については法改正がされたことで、届け出自体は簡易になったのですが、届け出た後の運営に関しては厳しくなりました。具体的には、「1年間で180日以下の営業」という制限があるため、年間の半分程度しか運営できません。

さらに、自治体によって独自に規制して良いので、「住居地域は金曜午後~月曜朝までしか営業してはいけない」などの規制をするエリアも多いです。規制が厳しいところでは、民泊運営自体を禁止しているほどです。

このように、民泊運営の規制が厳しく、運営しても黒字化が見込めないので、届け出がわずか700件ほどになっているというわけです。

今後の動向

そもそも、民泊の法改正がされたのは、以下2つの理由からです。
・届け出が複雑すぎる
・闇民泊が横行している

まず、法改正がされるまでの民泊は「簡易宿泊所」扱いだったので、カプセルホテルなどと同じ届け出が必要でした。そのため、素人では届け出が非常に煩雑で難しいため、届け出を行って正式に民泊運営する人はごく少数となっていたのです。

つまり、届け出をしない、いわゆる「闇民泊」が横行していたので、近隣住民とのトラブルが多いなどの社会問題に発展していました。一方、2020年までに2016年のおよそ倍に当たる4,000万人ほどの訪日観光客を見込んでいる政府としては、民泊の普及により宿泊の受け皿と作ろうと画策しました。

だからこそ民泊の法整備がされ、届け出の難易度を下げたのです。ところが、上述したように届け出が全然されていないので、政府としては予想外の事態となっていると考えられます。この点を解消すべく、民泊の日数制限などの規制は緩む可能性は十分にあります。

そうしないと、民泊は結局闇民泊が横行するか、訪日観光客への受け皿が足りなくなるからです。そのため、現在不動産を所有していて、どのように活用するか迷っている人は、民泊の法規制の動向を注意しておくべきでしょう。

このように、民泊の普及は現時点ではかなり厳しい状況です。それによって起こる、「宿不足」は政府が掲げる訪日観光客数へ重大な影響を及ぼすので、何かしらの規制緩和は十分に考えられます。不動産投資を画策する人は要注意です。

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