No.56
もう住まない家、売る VS 貸す どちらが得なのか?
住まなくなった家は、そのまま置いておいても維持費がかかるばかりで、家計の負担になってしまいます。そこで、「売却する」もしくは「貸し出す」といういずれかの方法を考えることになるのですが、どちらがいいのか、判断に困る人も多いようです。
そこで、ここでは売る、貸す、どちらが得なのかを判断するポイントを紹介したいと思います。
また住むのか、もう住まないのか?
どちらが得になるのかを考える前に、その家は、再びあなたが住むことがあるのか、それとももう住むことが無いのか、ということも考えておきましょう。
- 転勤のため数年間離れるが、できればまた住みたい。
- 親から家を相続したが、今は遠くて住めない。いずれ、老後になったら住むかもしれない。
など、また住む可能性があるうちは、売却せずに賃貸にして様子を見るようにしましょう。
もう二度と住むことが無い場合は売却でも賃貸でもどちらでもいいですね。
売却した場合の収支
【収入】
売却価格
【支出】
仲介手数料
抵当権抹消等の登記費用
収入印紙代
ハウスクリーニング・修繕費(売却の条件による)
所得税(利益が出た場合)
売却時の支出としてもっとも大きいのが、不動産会社に支払う仲介手数料です。仲介手数料は、「取引金額×3%+6万円+消費税」となります。たとえば、1500万円で売却できたとしたら、仲介手数料は約55万円必要、ということです。
賃貸として貸した場合の収支
【収入】
礼金
毎月の家賃
更新料
【支出】
仲介手数料
ハウスクリーニング・修繕費(参考:リフォーム参考価格)
管理費
固定資産税などの税金
管理費は、家賃の5~10%程度が毎月かかってくると考えておきましょう。
また、仮に「家賃10万円で貸し出せば10年で1200万円になる」などと安易な計算はしないでください。入居者がいない期間は収入がゼロになりますし、また、年月とともに家は劣化していきますので、家賃も徐々に下げざるを得ないということも考えておく必要がありますね。
住宅ローンが残っている場合
売却、賃貸のそれぞれの収支は上記のとおりですが、住宅ローンが残っている場合は支出として住宅ローン返済も入ってきます。賃貸の場合は特に、一定して家賃収入が得られるとは限りませんから、お金にゆとりが無い場合、「入居者が入らないので住宅ローンが返済できない」という状況に陥る可能性もあります。
住宅ローンが残っている場合は特に、収支の計算をシビアにおこなうことをおすすめします。
いくらで売れる? 貸せる? 知るにはプロへ相談を
売却にしろ賃貸にしろ、実際にいくらの利益があるのかは、行動してみないことには分かりません。ざっくりとした計算ならご自身でもしていだけると思いますが、計算通りに売れる(or貸せる)とは限りません。
より詳しく計算して「本当はどちらが得なのか?」を知るには、プロへ相談されることをおすすめします。
売却にしろ賃貸にしろ、複数の不動産会社に対して見積もりを依頼するのがおすすめです。たとえば、売却の場合でも1500万円で査定するところもあれば、1900万円になることもあります。逆に、1200万円にしかならないこともあるでしょう。
売却にかかる諸費用や賃貸の場合の管理費などを詳細に聞いておくとともに、実際にどれぐらいの収入が見込めて、どれぐらいの利益になるのかは、しっかり相談しておくことが大切です。
(賃貸それとも売却も併せてご覧ください。)