No.152
固定資産税を支払えないときの対処法について
不動産は、所有しているだけで「固定資産税」という税金がかかってきます。たとえ、空き地だったとしても税金は課税され、不動産価値によっては数十万円以上になることもあります。今回は、そんな固定資産税を支払えないときはどうなるか?について解説します。
1.固定資産税を滞納したとき
固定資産税を滞納したときには、「税金滞納」となるので、自分の財産が差し押さえらえてしまいます。当然、不動産だけでなく預金や給与なども例外ではありません。その差し押さえた財産を、固定資産税の支払いに充てるというワケです。
ただ、その財産で返済しきれない、もしくは不動産以外の財産を返済に充てたくない場合もあります。その場合には、不動産は「公売」にかけられ、国が主導で売却活動をはじめます。
公売は、その不動産の所有者の意思とは関係なく売却されます。つまり、所有者が納得しない金額だったとしても、勝手に売却されてしまうということです。そのため、公売によって不動産を売却すると、相場価格よりかなり低い金額で取引されてしまうことが多いです。
この公売を避けたいのであれば、まずはそもそも固定資産税を滞納しないことです。また、固定資産税を支払えないのであれば、公売にかけられる前に自ら売却して、少しでも高く売ることも大事です。
2.固定資産税が支払えないとき
固定資産税が支払えないときには、以下の3つの方法があります。
・通常分納
・納税猶予
・換価猶予
通常分納とは、読んで字のごとく固定資産税を分納することです。本来であれば滞納した税金は一括で支払うことになりますが、その金額を複数回に分けて納めることができます。ただし、通常の分納の場合には、所定の「延滞税」はかかってきます。
一方、納税猶予とは、納税を一旦猶予してもらい、更に延滞税を50~100%免除してもらう手続きです。ただし、納税猶予が利用できるときは「災害・事故」「病気・ケガ」など、固定資産税が支払えない正当な理由があるときだけになります。
そして、換価猶予は既に財産を差し押さえられている人が利用する対処法です。換価猶予は、延滞税を50%免除し、財産の売却(換価)を一時的に先延ばしにできます。つまり、公売を止め、その間に固定資産税を返済するということです。
3.まとめ
このように、固定資産税を滞納してしまうと、財産を差し押さえられるというデメリットがあります。そのため、まずは公売になる前に自主的に売却しましょう。また、仮に滞納してしまっても、上述した3つの対処法がある点は覚えておきましょう。
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