No.78
お得な物件を購入する前に確認しておきたいポイント
不動産を購入するなら、安いに越したことはありません。しかし、お買い得な物件は誰もが欲しがるものですからすぐに売れてしまうもの。見つけたらすぐに手付金を払いたくなるものですが、お買い得な物件こそ、慎重になる必要があるのです。
相場よりも安いお値打ち物件にはそれなりの理由があります。安さの理由を知って、それでも買いたいと思えるのか考えてみましょう。
立地・環境
墓地や刑務所など、いわゆる嫌悪施設と呼ばれるものが近くにある。また、原子力発電所の近くなど災害時のリスクが高い。そういった立地・環境の物件はその分価格が安くなります。
建ぺい率・容積率オーバー
建築された当時と現在で定められている建ぺい率・容積率が違ってオーバーしている場合、新たに建て替える場合は今より小さい家しか建てられないことがあります。
借地権
住宅と同時に土地も手に入る場合、それは「所有権」と呼ばれます。一方、安い物件の場合は手に入るのは建物だけで、土地は借りているもの、という扱いになることがあり、これを「借地権」と言います。
事故物件
自殺、他殺、孤独死等があった物件のことで、相場よりもかなり安くなります。
接道義務を満たしていない
住宅は原則、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していないといけないという決まりがあります。細い路地の奥にあるような物件の場合、建て替えができないことがあるため価格が安くなります。
もし上記の例に該当した場合、
- 住宅ローンが通りにくくなる
- 売却がしづらくなる
可能性があります。
安くしないと売れない物件ですから、当然次に売るときにも安くしなければ売れません。また、建ぺい率・容積率オーバーの物件や接道義務を満たしていない物件の場合は住宅ローンの審査が通らないことが多いです。たとえ購入時に預貯金から支払うことができても、将来売却するときには、新たな買主も住宅ローンが組めないということですから購入できる人が限られてしまいます。
格安な物件の中には、「相続税の支払いに間に合わせなくてはならない」などの理由で売り急いでいるために安くなっている、といった理由もあり、その場合は何の問題も無い良い物件が格安で手に入るチャンスです。しかし、今回紹介したような理由によって安くなっている場合、知らずに購入すると後悔することにもなりかねません。
相場より安い物件を購入しようとする際にはこういった理由が無いか、しっかりとチェックしておきましょう。
(参考:再建築不可物件)