No.216
マンション売却は5年以下で高税率?税金について徹底解説
結論からいうと、マンション売却時は5年を境に税率が変わるので、保有期間5年を超えてから売却した方が良いでしょう。ただし、税制優遇が利用できるケースも多いので、今回はその点も合わせて解説します。
そもそもマンション売却にかかる税金は?
そもそも、マンション売却時には以下の計算式で算出する「譲渡所得(≒売却益)」に税金がかかります。
譲渡所得=(売却価格-売却時にかかった諸費用)―(購入時の不動産価格+購入時にかかった諸費用-減価償却費用)
注意点は、単純に売却価格から購入時の価格を引くわけではないという点です。計算自体は、不動産会社に相談すれば譲渡所得の算出を手伝ってくれるので、所得が高くなりそうであれば相談しましょう。
譲渡所得税率
冒頭でいったように、マンションは保有期間5年超か5年以下かで以下のように税率が変わります。ただし、保有期間はマンションを売却した年の1月1日時点での保有期間です。
○5年超保有(長期保有)の場合
まず、マンションを5年超保有した後に売却すると、以下のような税率になります。
・所得税:譲渡所得額×15%
・復興特別所得税:上記の所得税額×2.1%
・住民税:譲渡所得額×5%
仮に、譲渡所得が2,000万円であった場合は、「所得税:300万円、復興特別所得税:6.3万円、住民税:100万円」の、合計406.3万円の税額になります。このように、そもそも譲渡所得税は5年超保有だとしても高税率です。
○短期保有の場合
次に、マンションの保有期間が5年以下のときに売却すると、以下のような税率になります。
・所得税:譲渡所得額×30%
・復興特別所得税:上記の所得税額×2.1%
・住民税:譲渡所得額×9%
仮に、譲渡所得が2,000万円であった場合は、「所得税:600万円、復興特別所得税:12.6万円、住民税:180万円」の、合計792.6万円の税額になります。このように、所得の4割という高税率になってしまうのです。
※国税庁ホームページ 譲渡所得税
・長期保有 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
・短期保有 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
税制優遇を覚えておく
前項までで、「5年以下でも5年超でも、どちらにしろ結構税金はかかる…」と思った人もいるでしょう。しかし、実際はマイホームを売った時の特例、いわゆる「3,000万円の特別控除」が利用できるケースが多いです。
詳細は国税庁ホームページ※を確認して欲しいのですが、マイホームの売却であればほぼ利用できます。利用できれば譲渡所得が3,000万円マイナスになるので、ほとんどのケースでは「譲渡所得ゼロ=譲渡所得税ゼロ」になるでしょう。
ただし、各艇申告が必要な点を認識しておくのと、投資用でマンションを貸していたことがあったり、住民票を移していたりする場合は要注意です。その場合は、国税庁ホームページを確認し、それでも分からなければ税務署や税理士に問い合わせましょう。
※マイホームを売ったときの特例
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
まとめ
このように、譲渡所得税は高税率でありますが、特に5年以下保有時は気をつけましょう。仮に3,000万円の特別控除を利用できない場合は非常に高い税率になるので、売却時期は考えた方が良いです。
(関連コラム:不動産の売却で利益が出たら?3,000万円の特別控除を知ろう)
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