No.30
住宅ローン減税でどれぐらい得になる?
住宅ローン減税とは、住宅ローンを組んでいる人の所得税が安くなる、という制度です。でも、住宅購入というのはとても高額な買い物ですから、どれぐらい減税されるのかが分からなければ、住宅ローン減税が魅力なのかどうかが分かりませんよね。そこで、ここでは住宅ローン減税について分かりやすく解説し、実際にいくらぐらい得するのか、ということを紹介したいと思います。
住宅ローン減税の仕組み
対象になる人
- 住宅購入やリフォームなどで、住宅ローンを組んでいる人
- 住宅ローンの返済期間が10年以上あること
- 住宅を取得してから半年以内に住んでいること
- その年の年末に引き続き住んでいること
- 合計所得金額が3000万円以下であること
- 住宅の床面積が40平方メートル以上であること
つまり、「一般的な収入の人が住宅ローンを組んでマイホームを購入したりリフォームした場合」が対象になります。
計算の仕方
- その年の年末時点でのローン残高×1%が所得税から控除される
- 所得税額よりも減税額の方が大きい場合は、余った分を住民税からも控除できる
- 10年間住宅ローン減税が使える
【一般住宅の場合】
・控除対象の限度額……2,000万円
・各年の控除限度額……20万円
【新築一般住宅の場合】
・控除対象の限度額……4,000万円
・各年の控除限度額……40万円
※(最大4,000万円×1%)(4,000万円)×2%÷3のいずれか少ない金額で最大控除期間が11~13年目26.66万円
【認定優良住宅の場合】※省エネや耐震など、一定の基準を満たしたもの
・控除対象の限度額……5,000万円
・各年の控除限度額……50万円
3000万円の住宅ローンを組んだ場合の例
具体的な例で紹介しましょう。
【年収500万円で、所得税が約20万円の人の場合】
1年目、住宅ローンの残高が2900万円だったとしたら、【2900万円】が控除対象額になります。
2900万円×1%=29万円
所得税から29万円を控除することができますが、この人の場合は所得税が20万円なので、この年の所得税は【0円】になります。(払い過ぎた所得税が、翌年還付されます)
さらに、まだ9万円分が残っているので、翌年の住民税から控除できます。住民税が25万円だったとしたら、9万引いて【16万円】になる、というわけです。
※住民税からの控除は9.75万円を限度としています。
所得税、住民税合わせて29万円の節税になりました。
翌年以降も、その年の年末時点での残高に応じて1%が控除されるので、10年間で見れば大きな節税になりますね。
住宅ローン減税で損しないために
現在の所得税が少なければ、節税効果も少ない
毎年所得税や住民税を30万円以上払っている人なら減税によって所得税、住民税がタダになることもありますが、もともと所得税や住民税の額が少ない人は、大きな節税効果は見込めません。
所得税と住民税合わせて10万円程度、という人であれば最大で10万円がタダになるだけですから、何十万円もの減税があると思わないようにしましょう。
(参考:住宅ローンの選び方)