No.115
不動産の個人間売買は本当にお得?
例えば、親戚や知人などに不動産を売却する時には、不動産会社を通さずに個人間で売買する事があります。個人間売買にはメリットもありますが、その反面大きなデメリットもあります。そのため、個人間売買を行うなら、その点をキチンと認識した上で行いましょう。
1.個人間売買のメリット
個人間売買のメリットは以下の通りです。
- 仲介手数料がかからない
- 売却時の手間がない
一番大きなメリットは、不動産会社に支払う仲介手数料がかからないという点です。不動産の仲介手数料は物件価格が400万円以上の場合には、「税抜き物件価格×3%+6万円」の金額に消費税がかかってきます。
つまり、税抜き価格が4,000万円の不動産を売却する時には、「(4,000万円×3%+6万円)×消費税1.08」という計算になり、約136万円の仲介手数料を支払うことになります。この金額を買主側も売主側も支払う必要があります。そのため、このケースで言うと、個人間売買にすると約272万円分の仲介手数料が浮くということです。
また、売却時には不動産会社に査定を依頼したり、部屋を案内したりという手間がかかります。買主が決まっている個人間売買だと、その手間がないという点もメリットの一つです。
2.個人間売買のデメリット
個人間売買のデメリットは以下の通りです。
- 専門知識がない
- 契約関係書類の作成が大変
不動産は非常に専門的な売買、且つ高額な商品になります。いくら親戚や知人とは言え、後々のトラブル防止のために契約はキチンと結んでおく必要があります。例えば、「海に近いから鉄筋が劣化しやすい」や「瑕疵担保責任の期間を短くする」など、インターネットの情報だけでは分からないリスクが不動産にはあります。
個人間売買だとそれらのリスクを把握しないまま契約を締結するので、「引渡後のトラブルリスク」が最大のデメリットになります。特に瑕疵担保(建物の構造的欠陥)責任については、場合によっては100万円単位の負担になります。
この責任の「範囲」や「期間」をキチンと書面に記載しないと、買主に不利になったり売主に不利になったりします。そのため、せめて契約書の作成は不動産会社や司法書士に依頼する事をお勧めします。
結論を言うと、個人間売買はリスクが大きいのであまりお勧めはしません。しかし、買主が決まっている時に仲介会社と媒介契約を結び、「3%+6万円」の仲介手数料を支払いたくないという気持ちも分かります。
あくまで「3%+6万円」は不動産会社に支払う仲介手数料の「上限」なので、この金額以下であれば仲介手数料はいくらでも良いのです。そのため、仲介会社との交渉次第ですが、仲介手数料を下げて仲介してもらうという選択肢もあります。弊社でも、仲介手数料を抑えるためのサービスを提供しております。 「不動産売却もDIYで!」という方には、お力になれる場合がございますので、お気軽にお問い合わせください。
(参考:自分の住まいは、自分で売却できる。SELF不動産)
(参考:中古住宅売買に、既存住宅瑕疵担保保険)