No.184
マンション売買時に知っておくべき消費税について
マンションは高額な商品になるので、消費税がかかってくると消費税額も高額になります。そのため、売主としては、買主の負担が大きくなるので売りにくくなるというデメリットがあるのです。
しかし、一般的なマンション売買には、消費税がかからないケースがほとんどです。今回は、マンション売買における消費税の仕組みを解説していきます。
1.売却価格に消費税はかかるか?
冒頭でいったように、マンションの売却価格に消費税はかかりません。もっというと、それは土地や一戸建てなどの不動産全般に言えることです。ただし、売却価格が非課税になるケースは、個人が売主であるときのみです。
売主の立場でいうと、売主は自分自身の「個人」なので、ほとんどの中古マンション取引では消費税がかからないというわけです。
1-1消費税がかかるケース
消費税がかかるケースは、宅建業者(法人)が売主になるケースです。宅建業者が売主になるケースとしては、新築マンションや一戸建ての販売や、中古マンションのリノベーション物件などが挙げられます。
そのため、中古マンションを買うときは、その中古マンションがリノベーション物件で、宅建業者が売主の場合は消費税が含まれているので注意しましょう。
1-2消費税の適用時期は?
これは、マンションを購入する側で、かつ新築やリノベーション物件など、宅建業者が売主の物件を購入するときの話です。消費税の適用時期は、その物件の引き渡しを受ける時期であり、契約をするときではありません。
仮に、2019年10月に、消費税が8%から10%に増税されるとします。この場合、2019年9月に契約をして、翌10月に引き渡しを行う場合には、その物件の消費税は10%が適用されます。仮に、物件価格が3,000万円であれば、2%増税されただけで60万円も価格が変わるので気を付けましょう。
2.消費税がかかる項目について
ただし、個人間売買のときも、以下の項目については消費税が加算されています。
・仲介手数料
・司法書士報酬
仲介手数料は、物件価格が400万円以上であれば、「売却価格×3%+6万円」に消費税が加算されます。そのため、仮に売却価格が3,000万円であれば96万円に消費税がかかるので、2%増税すると1万9,200円増額します。
また、登記を司法書士に依頼するので、5万円程度の司法書士報酬が発生し、その報酬には消費税が含まれています。そのため、2%増税されると、1,000円程度報酬が上がるということです。そこまで大きな金額ではありませんが、この2項目には消費税がかかる点は認識しておきましょう。
3.まとめ
このように、一般的な中古マンションの売却時は、売却金額には消費税はかかりません。しかし、諸費用の一部には消費税がかかっているので注意しましょう。また、マンションを購入する側の立場では、売主が宅建業者の場合は、売却価格に消費税がかかる点を認識しておきましょう。
(参考:購入をお考えの方)
(関連コラム:消費税増税凍結と住宅購入(1))