No.64
住宅ローンの金利の仕組みとタイプについて
住宅購入の際には、まずはある程度の予算を決めておく必要があります。しかし、「どれぐらいの価格の家を買うか」というのは、「どれぐらい住宅ローンを借りられるか」ということでもあります。何年間のローンを組むか、どのタイプのローンを組むか、どれぐらいの金利で組めるか、ということを知らなければ、自分がどれぐらいの価格の住宅を買えるのかも検討がつきません。
たとえ住宅ローンの審査が通ったとしても、資金計画に無理があればどこかの時点で返済が苦しくなってしまうことも考えられます。また、知らず知らずのうちに何百万円も損してしまうことがあるのが、住宅ローンの怖いところです。
そこで、ここでは住宅ローンの金利の仕組みやどのようなタイプがあるのか、これから住宅を購入しようと考えておられる方向けに紹介いたします。
元利均等返済とは
ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。よく似た名前ではありますが、内容は全然違います。
- 元利均等返済……元金と利息を合わせた「合計金額」が均等になる返済方法。毎月の返済額が一定。
- 元金均等返済……元金部分のみを均等にする返済方法。毎月、「一定額の元金+それに対する利息」を返済することになるため、はじめのうちは返済金額が高く、徐々に下がっていく。
住宅ローンの場合、元金均等返済にしてしまうとはじめの返済額が高くなりすぎてしまうため、元利均等返済にするのが一般的です。(ローンの返済額については「ローン返済額シミュレーション」を参考にして下さい。)
固定金利と変動金利
住宅ローンの金利は一定とは限りません。固定金利型・変動金利型の2つに加え、固定期間選択型というものもあります。
- 固定金利型……ローン契約時の金利がずっと続く。そのため、返済額も一定になる。
- 変動金利型……半年ごとに金利が見直しされる。そのため、返済額も変動する。
- 固定期間選択型……一定期間だけ固定金利にして、その後は再度固定金利か変動金利かを選ぶ。(固定金利を選んだ場合も、その時点での固定金利が適用される)
みなさんもよくご存じの「フラット35」というのは固定金利型の住宅ローンで、やや金利は高めになっているものの、金利が途中で変更にならないため毎月の返済額が一定で、返済計画を立てやすいのがメリットです。(フラット35については「【不動産豆知識】ローン諸経費」を参考にして下さい。)
変動金利型の場合、はじめの金利は固定金利よりも低くなっていますが、その後金利が上昇するリスクもあります。ただ、金利上限が設定されている商品もあります。
住宅ローンの選び方
住宅ローンは、銀行によってもさまざまな商品があるため、はじめは何を選べばいいのか分からなくなるものです。そして、人によって最適な商品も変わるので、ここでおすすめ商品はこれ、と言うこともできないのです。
その時点で金利が安いところを選ぶとか、金利優遇のあるところを選ぶということも大切ですが、返済計画によって金利タイプを変えることも大切です。
はじめから35年など、契約期間のあいだ家賃のように毎月一定額を支払っていきたい、と考えている方であれば、固定金利型の方が返済計画を立てやすいです。
一方、早めに繰り上げ返済をしたいと考えている人の場合は、変動金利を選び、金利が低いうちにどんどん繰り上げ返済をしていく方が総支払額を抑えられます。(繰り上げ返済にかかる手数料も確認しておきましょう)
住宅ローンはたくさんの商品がありますが、固定金利型か変動金利型か、もしくは固定期間選択型か、ということをはじめに決めてしまい、その中で金利が抑えられるものを選ぶようにすると、スムーズに選びやすいのではないでしょうか。