No.121
路線価から相続税を計算する方法のあらまし
土地の相続税を算出するときには、不動産の評価額を定めなければいけません。その評価額は、「実際に取引した価格」ではなく、「路線価」と呼ばれる基準値を利用して計算します。この路線価で相続税評価額を算出し、その額に応じて相続税率を掛けるというワケです。今回は、路線価から相続税を計算する方法のあらましを解説します。
1.路線価とは
路線価は国税庁が管理するサイト(「国税庁 路線価図」で検索)で見ることができます。路線価は公示地価と呼ばれる、国が定める地価の大体70%を目安に設定されている金額です。
1-1路線価の計算方法
では、具体的に路線価の計算方法の話をします。路線価は以下のような順番で計算します。
買取のメリットは以下の通りです。
- 上述したサイトで、調べたいエリアを絞る
- 自分の土地に接している数字をピックアップ
- 土地面積に応じて都市の評価額を算出する
上記の3ステップで土地の評価額を計算することができます。
1-2具体的な計算方法
たとえば、上記の方法で調べた結果、自分の調べたい土地に「300C」という表記があったとします。この数字は、全て千円単位になるので、300であれば300千円となり30万円を意味しています。この30万円が1㎡あたりの評価額になりますので、100㎡であれば3,000万円(30万円×100㎡)になります。この3,000万円という価額に、相続税率を掛けて相続税額を求めるのです。
1-3借地権の計算方法
借地権の場合には、数字の隣に表記されているアルファベットを使います。借地権は相続税評価額を軽減できるので、前項で求めた評価額に下記のようなパーセンテージを掛けます。
「A:90%、B:80%、C:70%、D:60%、E:50%、F:40%、G:30%」
つまり、前項の「300C」の土地が借地権であった場合には、3,000万円の評価額に70%を掛けた「2,100万円」が評価額になるということです。
3.相続税について
相続についての詳しい税率は国税庁ホームページ(「国税庁ホームページ 相続税」で検索)で確認ください。簡単に相続税の算出方法を説明すると以下のようになります。
- 3,000万円+法定相続人×600万円の基礎控除を行う
- 評価額に応じた税額を掛ける
- 相続額に応じた額を控除する
たとえば、路線価で算出した評価額が6,000万円の土地を、法定相続人1人で相続したとします。そうなると以下のような計算式になります。
「(6,000万円ー(3,000万円+600万円))×相続税率15%-控除額50万円」となるので、相続税は310万円になります。
このように、土地の相続税を算出するときは、まず路線価からその土地の評価額を計算します。その後に、その評価額に応じて相続税を計算するという順番です。ただし、土地が2つの道路に面していたときや、角地にあるときなどは計算方法が変わってきます。
また基礎控除以外にも多数の控除などがありますので、自分で計算して出した答えはあくまで相続税が掛かりそうかどうかの「目安」として考えましょう。正確な金額が気になる場合は、税理士さん相談し算出してもらいましょう。
(参考:物件購入も土地の評価が決め手に!)