No.37
マンションを終の棲家にするときの注意点
今住んでいる家に、今後もずっと住み続けますか? それとも、別のところに引越したいと考えていますか?
高齢化が進む中、最近は「終の棲家」について考える人が増えています。でも、終の棲家としてマンションを選ぶ場合には、注意したい点があるのです。
終の棲家を決めるのは60代がベスト
「介護が必要になったら」、「体力の衰えを感じたら」というタイミングで終の棲家について考えるのでは、少し遅いです。60代のうちはまだ体力もありますし、新たな人間関係を築いていく精神力もあります。60代のうちに終の棲家を決定するつもりで考えておくのがいいでしょう。
将来の介護を想定しておきたい
老後の問題として大きいのは、病気や認知症などと、それらによる介護の問題です。将来的に自宅で介護を受けることになったときのことを考えて、広い間取りの家を準備しておくのがおすすめです。そういう意味では、マンションの場合は自宅内での階段の上り下りがありませんから体への負担や介護をする人の負担は軽いです。あとは、車いすでも通れる程度の通路やトイレ、ベッドの位置などをチェックしておくといいでしょう。
また、介護付き老人ホームなどの施設に入る可能性も考えて、資金面での計画も立てておく方がいいでしょう。
建て替えの計画を考慮する
60代で新築マンションに引っ越した場合は、建て替えを経験することは無いと思います。しかし、すでに築何年も経っているマンションであれば、将来的に建て替えや大規模な修繕工事が必要になる可能性も考えておきましょう。あらかじめそのマンションの立替えや修繕の計画を聞いておき、住み続けることが可能かどうかをチェックしておくといいでしょう。
管理費・共益費等のコストを考慮する
マンションを購入しても、それ以外のコストがかかります。管理費や共益費といったお金や修繕積立費などがありますから、それらの費用を払い続けることができるかどうか、計算しておくことが大切です。
管理費・共益費については賃貸マンションでも発生する問題ですから、賃貸に住み続けるつもりの人でも、年金や今の資産で払い続けることが可能かどうかを考えておきましょう。
田舎暮らしができなくなる可能性も考慮する
仕事のリタイアを機に、田舎暮らしを始める人もいます。地方だと住居費が安いですから、広いマンションを買っても経済的に困窮しにくいという魅力はあります。しかし、田舎暮らしになると、近所に病院が無い、スーパーが無いなど生活が不便な場合もありますから、病気になったり介護が必要になったときにはせっかく購入した家を売却して、再び都市部のマンションに移り住む、という方も少なくありません。
終の棲家を決めた後でも、事情が変わって引越しを余儀なくされることも考えて、資金面や生活面で困ることが無いよう心づもりをされておいた方がいいでしょう。
マンションの場合は、一軒家とは違って介護のための十分なスペースを確保しにくかったり、建て替えの問題で済み続けることができなくなったりと、自分の思い通りにはいかない部分も出てきます。そういった点についてはあらかじめ60代のあいだに問題を検証し、対策を練っておくことが老後の安心につながるのではないでしょうか。
(参考:その他の不動産購入時の悩み解決はこちら)